ドメモ(Domemo)

”「ドメモ(Domemo)」”

ドメモ。おお、ドメモ。名前はどうにも愚鈍な響きですが、鋭い推理がモノをいうイカスゲームです。
もともとはリンク先画像のような「いくつかの数字が描かれた木製のタイル」で遊ぶゲームなんですけどね。なにせ絶版になって久しい為、ルールのみが口伝のように広がって、同じ構成のカードを持つ「ピラミッドカードゲーム」やら「グレートダルムチ」やらで代用されて遊ばれることが多いようです。初出が1975ってことですから、かれこれ30年前のブツですからね、仕方ない話。
折角なので、これを読んで遊べる程度にルール説明してみましょうかねー。


さて。
おそらく4人戦が一番オモシロ。1〜7のタイルがその数字枚数分ありましてね。んー、全28枚ですか。それをぐちゃぐちゃと裏向けに混ぜて、そこから各人5枚のタイルを受け取ると。残った8枚はテーブル中央に。4枚は表向け、4枚は裏向けのまま。人数によって分配数も違ってくるんですがね。
で。受け取った5枚は自分で見ることなく(ここ重要)、他人にだけ見えるようにテーブルに置きます。自分が持っているタイルの内容はわからず、他人のタイルは丸見えの状態になると。これで準備OK。
時計回り進行。手番には、「自分はこれを持ってるんじゃないか」と思うタイルの数字を宣言します。見事的中したら(本当に持ってたら)、左隣か右隣のプレイヤーがそのタイルをパタリと倒してやると。持ってなければ自分の推理力のなさ(&運の無さ)にゲンナリすると。
これをグルグル繰り返して、最初に自分のタイル全てを答えることができたた人が勝ち。


っていうかね、オモシロいんですよね、これだけなのに。
とにかく推理。推理ですよ。「他人の宣言」やら「既に見えているタイル」などから自分が持っているタイルを絞っていくわけです。序盤は判断材料が少ないので運も絡みますが、それでも可能性として高いという判断はできます。まあ、時には「こんなのわかるか!」という不運な初期タイルな場合もありますが、それもまたオモシロ。
もうね、こうした推理のヒントってのはいたるところに隠されていて、他人の目の動き、挙動、タイルを倒してくれるプレイヤーの指先、その他諸々。そんなちょっとしたことも、積み重なっていけばハタとヒザ打つキッカケとなって、「おーし、わかった!見切った!」とばかりに自分のタイルが透けて見えてくるわけですよ。そうなったらもう、楽しいったらない。早く手番が廻ってこないかと待ちきれない子供のような勢いでね、とてもワクワクしてしまうんですなあ。
そんななので、宣言を誤るとものすごくショック。それはもうゲンナリしてしまうんですよ。うわー、間違えちまったよー、ダメだー、もう終わりだー、なんてね。大抵そういうのは苦渋の末の2択とかだったりするので、ああやっぱりあっちを宣言しておけばなんて、やりきれない後悔がとめどなく押し寄せてくるんですよねえ。
でも「シンプルで手軽が利点」とばかりに、1ゲームがとてもサックリ終わってくれるので、何度も遊んで楽しい。「うわ、全然ダメだったよ、今回」みたいな時だってあるんですが、それも何度かのうちの一度。たまたま運がなかっただけのはずなんですよ。言い訳上等。次がありますから。
とにかく推理、思考する楽しさ。他人から言外の何かを読み取ろうとするオモシロ。どの可能性から宣言しようかという悩ましさはたまらないものがあります。息が詰まりそうなくらいに終始ドキドキするゲームなんですよね。もう本当、シビレます。


ということで。
このオモシロが上手く伝わったか不安ですが、なにはともあれ一度は遊んで欲しい好ゲームです。ツボにハマるとスゴイですから。現物を用意するのはさすがに今ではちょっと難しいので、何かしらの代用品で是非。前述のゲームでもいいですし、ブランクカードで自作でもいいですし。一番手軽な方法は、100均でトランプ二つ。これですね。
もうね、本作については自作やむなし。野暮なことは言いっこなしということで。


最後に。
一点だけ注意を喚起。今までこれをプレイしてきた何十回という中で、オモシロいなあという言葉しか聞かなかったのですが、先日初めてそうではないケースに遭遇してしまいました。相性って、あるんですね、やっぱし。気持ちの面ではかなり残念ではあったんですが、そんな当たり前のことを再確認。ちょっとね、このゲームに対して私は並々ならぬ信頼を寄せていたもので。ゲーマー戦、民間戦問わず。これを機に少し冷静にならねばですなあ。と自戒してみたり。