”「魔法使いのホウキ(zauber stauber)」”

魔法使いたちがハイテクなホウキにのってレースするゲーム。オモシロ。
どれだけキレイなショポール、いやシェプール、じゃなくて、シュプールを描けるかが「隠れ目標」だったりする熱いボドゲです。


システムは至ってシンプル。
毎手番少しずつ、ホウキがどの方向にどれだけ飛んでいくかという「軌跡タイル」を、最大5本まで、自分の「魔法の本」にプラン(配置)していきます。軌跡タイルを場にかざしたりは出来ないので、全ては目測による超感覚に依存。
任意のタイミングで「飛びます!」という宣言をして、一手番を使って実際に飛行。アナログ作業で自分のホウキに軌跡を並べて進むわけです。飛行途中で障害物やら他人にぶつかるとそれ以降の分のプランが無駄になるので、無駄なく、どう先読みするか、いつ飛び出すか、みたいなノリ。
とにかく「目測の曖昧さ」が独特のオモシロを生んでいます。こいつがまたナカナカ思うように飛んでくれないんですよ。
飛行の為の軌跡タイルはそれぞれ魔法の本ボードの「曲線上に」「少し距離を開けながら」「ニョキニョキと生やすように」置いていくので、プラン最初から通しての繋がりが感覚的に掴みにくくなってます。画像見たら数字書いてるところあるでしょう? そこです。ちょっとした細工ですが、もう効果テキメン。
また、「魔法使いってヤツは必ずユラユラ飛ぶもんなんだよ!(間違い)」とばかりに、「完全な直線タイル」がない というのもオモシロの秘密。ただでさえ難しいのにもうフラフラ。4本5本と多めの飛行プランともなると序盤の微妙なズレが最終的に大変な結果を招いてたりして爆笑です。
堅実に行くなら少ないプランで地道に、でも手番数が増えると遅れてしまう、じゃあ一気に行くか! でも失敗したら無駄に・・・、というジレンマ。


とまあそんな感じの、プラン結果を見て悲喜コモゴモって感じのゲームですね。
プランがバシーっと上手く決まって、長い軌跡を残しながら一気に飛行出来た時はかなり嬉しいです。逆に、長々とプランしたのに2本目くらいであっさりと障害にブツかったりするともうゲンナリ。でも折角なので、と残りのタイルを並べきってみたら、なんだこりゃ!みたいなところに飛んでいってたりしてまた爆笑。
アナログ処理ということで括れば、先日地雷認定した「ドラゴンライダー」もそうですが、あれとの圧倒的な違いは「作り手の姿勢」。くだけた言い方をすれば、本作は子供向けなので「いい意味でプレイヤーを信用していない」「何かと大雑把にしてある」ということ。
例えば、動かす本体とホウキの尻尾(?)が分割されているなど、プレイアビリティを高める工夫。子供が間違って移動中にグチャっとしちゃっても戻れます。いざという時の保険があるんです。そもそも本作はテーブル上をコースとして利用するので、ゆったりも厳しくも自由自在。「大体で遊べばいい」という雰囲気がそこかしこから滲み出ています。
ドラゴンライダー」のように、切欠きに合わせて移動後にドラゴンの方向を変えて、狭いコースに当たったの当たらないだのと言い争ったりする必要もなければ、翼が当たってズレただのなんだのと煩わされたりもしません。ライフが減ったりもしません。本作中の移動ミスの罰則といえば「プランが間違ってブツかったら戻る。でも進めるとこまで進んでいいよ」、という仏のような優しさ。ステキ。イカス。
だからこそ、楽しいところだけを素直に楽しむことができます。当たり前のことのようですが、意外にそうでないゲームだって少なくないんです。気楽ってのは偉大。


ちなみに。魔法使い本体や軌跡タイル以外にコンポーネントとして入っているのは、障害物とか特殊レース用の小物とか少々。ゲームも、それらを組み合わせて使用した「シナリオや配置例」をいくつか提案しているだけなので、アイデア次第ではなんでもどこでも遊べます。
家庭にあるモノをテーブル上にぶちまけるだけでもちょっとしたB級映画みたいなシチュエーションで遊べますし、鬼ごっこみたいなことも出来れば、面クリア型のソロプレイで競うみたいな楽しみ方だってできます。既存のボドゲでだって、置き換えて遊べてしまうかもしれません。
そう考えると、無限の広がり。「組み替えて何通り」とかの比ではないです。(まだ言ってる)
もうじき発売されるだろうことは間違いないので、今しばしお待ちあれっ!!


最後に。ってまだあるのかよ、って感じですが。
魔法使いたちのコマの作り方として書いてたイラストが、妙に味があってオモシロだったのでアップしてみます。
折角ですからね。掛け声とともに。





チンカラホイ!(懐かしい)



魔法使いの作り方
ガッギャーン!!
って感じがすると思いませんか。そんなことないですか。そうですか。