マクロバー(Mac Robber)

”「マクロバー(Mac Robber)」”

なーんというか、こう、不思議感が漂うゲーム。今回は「スタートプレイヤーマーカー」のイラストの馬鹿ぶりがツボにはまり、最期まで変にオモシロげなムードで進行してしまいましたが、真実は「ゲンナリゲー」ですよ、まったくもう。


折角なので大体説明。端的なので語弊があるかもしれません。先にお詫び。
スコットランドの高地で、一族の勢力を拡大するってなゲーム。
手元には自分専用のボードがあって、それを育てる系。ボードは、手前が自分の邸宅(家)。奥が領土。領土は広げていって、そこに牛を飼ってみたり、建物を建築してみたり。邸宅には3種の人員(戦士、修道士、バグパイプ吹き)を囲ってみたり。
手番には袋からキューブを引きまして。そのキューブをいくつか消費してアクションする感じ。まあ、アクションとか言ってはみましたが、ほとんどは自分のボードのどこかに「引いてきたキューブを置く」だけです。それを称してアクションと言います。これが発展の全貌。建築しようが人を囲おうが、意味合いとしてはそう変わりません。重要なのは配置したキューブの色。そしてその数です。
領土におくか、邸宅に置くかの差としては。
まずは名前が変わります。そりゃそうです。家に囲ったら「バグパイプ吹き」、領土においたら「砦」。使うのは同じ青のキューブ。ゲーム的な差としては、領土なら「一気に奪われる可能性がある」が、「一気に数を確保できる」。家に置く場合はその逆です。一手番には最大2アクションしかできないので、引いてこれたキューブの数(もしくは種類)にもよりますが、その時々で自分のできる最高を判断して選択する感じ。本当にキューブ次第。
手番の最期には誰かの領土を襲撃できます。手札からカードを出し合って、なんとも泥臭い殴り合いをします。こう、棍棒で殴りあうような地味さ加減。で、勝ったら、相手の領土を荒らせるし、負ければ相手に得点を与えてしまうし、みたいな。
とかいう流れを、全員一巡したら、おまちかねの決算。
キューブの色ごとに得点の計算方法が異なりまして。領土にあろうが邸宅にあろうが一緒くたにカウントします。これがこのゲームのキモとなる部分なはず。詳しくは割愛しますが、いずれにしても数が多いにこしたことはないです。最多バンザイ。多いほど高得点。これでいいじゃないですかと。
あとは、手札の枚数が変化したり、相手の家の中も特殊行動で荒らせたり、ゲーム終了条件に驚かされたり、やっぱり牛は「赤べこ」だったり云々。なにかと話題は尽きませんが、面倒になってきたのでそろそろ終了。


袋の中のキューブ数が刻一刻と変化したり、キューブを領土側か家側に配置するかのアヤなど、意図することはわかります。実質、他人はどうあれ、一手番ごとに決算が起こるわけですからね、小さな積み重ねを重視してほしいっていうこともわかります。わりに気を使って作ったんだな、という気持ちは伝わります。
しかし。全体通して圧倒的な泥臭さ。もしくは愚鈍な印象でアレ。なにかにつけてゲンナリしがち。とにかくルールが掴みにくい。謎が多いんです。これが独自性なのかもしれないですが、だとしたら何かを履き違えてますねえ。遊べばたかだか1時間程度のゲームなのに、ですよ。浮かんでは消える「?」と戦うのにもう必死。
話飛びますが、例えば。ルールを説明している際に「修道院ってなにか特殊効果あるの?」とか「砦って建てたら強い?」とか聞かれても「いや、別に。決算時に足すだけ」と答えたときの虚無感といったらもう。
建築って言ったらね、なにかしらの特殊効果を期待してしまう生き物なんです、ゲーマーってのは。
ま、これに限った話ではないですが。他にも色々あるんです、色々。


ともかく。
これはもう感受性の問題なのかもしれませんが、到底私には理解できそうにありません。この不思議な感覚は筆舌に尽くしがたく。本当に漫然と、本当にボンヤリと終盤を迎えてしまいます。
さて。ここでちょっと極端な2択を2回ほど。
「オモシロorゲンナリ」→→「ゲンナリ」、
「マストバイor地雷」→→「地雷」。
ということで当方では「ゲンナリな地雷」という見解にて。っていうか、そう決めました。
が、しかし。
一度プレイしておくと、今後はなにかとネタに出来るかとも思うので、そういう意味では遊ぶ価値アリなのかも。その際は、「スタートプレイヤーマーカー」の馬鹿ぶりも堪能しておいてください。って、なんだかそればっかり。でもこのゲームのオモシロはそこに尽きます。むぎぎ。