そっとおやすみ(Schlafmutze)

”「そっとおやすみ(Schlafmutze)」”

HABAの缶入りゲームシリーズの一作。そのオモシロぶり、盛り上がりぶりは、もはやパーティゲーの伝説。有名なのでご存知の方も多いと思います。
缶の蓋を開けると、中には数十枚のカードと、口をアワアワさせている顔型マーカーが一つ(バージョンによる)。これがかの有名な「おねむちゃんマーカー」です。
たったこれだけのコンポーネントが未曾有のオモシロを生んでくれるんですなあ。スゲー。


さて。


ゲーム内容はというと、注意力を必要とするシンプルなリアクションゲーです。
全員に手札を配ったら、カードをそれぞれ抜き差しして巡回させます。同じ顔のカードが4枚揃ったら「準備OK」、そっとカードを伏せると。
それをキッカケに、気づいた人からとにかく我も我もと、いやしかし、こっそりとカードを伏せていって、最後までボーっと気付かないでいるとダメ、このおねむちゃんめー、ってな感じのゲーム。
数枚ある「おねむカード」が無くなるまでラウンドを繰り返します。でもラウンドはすぐ終わるので、ゲーム時間はせいぜい15〜20分程度のもの。
で。
この手の仕組みを用いたゲームは様々ありますが、根本的に異なるのは「全てがさりげなく密やかに行われる」という点。カードが4枚揃ったからといって、他のゲームのように慌てて場にある「何か」をとりに行く必要はないんです。
揃ったことが気付かれないように、その後いつでも構わないので(タイミング任意)、そっとカードを場に伏せればいいんですよ。まさに、寝た子を起さぬように「そっとおやすみ」なわけですなあ。このタイトルつけた人偉大。
もうね、気づかず取り残されるのはかなりの悔しさ。想像してみてください、ふと気付くと全員カードを伏せてたりするわけですよ。思わず声が出ますからね、「むわー」って。ゲンナリにもほどがあります。
ちなみに我が家では「テーブルに伏せる」ではなくて、「カードをテーブルの下に入れる」というローカルルールを採用しているので、より「そっと」感が高いです。本当にこっそりと何事もなく全てが終わっています。
もちろん、大人が無言で本気になって取り組むのは、かなり「大人げない」ですから、概してヨタ話を交えながら、歓談しながらゲームを進める方向。これ大前提。
っていうか、それがまた楽しさの秘密。会話そのものがスゴくオモシロなんですなー。皆、最初は夢中になってしまうことを警戒して、当り障りない話題しか出ないわけですよ。で、「うわ、変な空気」とか思って笑いあってたりすると、カードはもはやテーブルの下。むわー。
ゲームをしてても興味がある話になるとやっぱり意識が散漫になりまして。こういうときほど狙われやすいんですよねえ、これがまた。しかもハマると立て続けに負けてしまったりして爆笑。


シチュエーションを楽しむゲームなので、必死になるのはとにかく禁止。酒でも飲みながらグダグダ楽しみたいところ。そういう意味では異常なくらいに合コン向け(死語)なゲームだと思います。で、今日一番のおねむちゃんには何か買出しでもさせたらいいんですよ。そういうノリ。
とにかくテンポよく遊べて、なにはともあれオモシロ。イカス。