”「コロレット・アマゾン(Coloretto Amazonas)」”を遊んでみました。

先日遊んだ”「コロレット・アマゾン(Coloretto Amazonas)」”の内容とかの話をします。
超長文。これを読めばほぼ遊べてしまう(かもしれない)ルール解説付。
近頃出た新作。名作「コロレット」の名を冠してはいますが、一応続編というより姉妹編といった位置付け。もしかして今後もシリーズ化されたりするのでしょうか。アマゾンの奥地に生息する謎な新種の生き物を発見せよ!というテーマ。登場する動物は全18種類。トレードマークであるカメレオンだけではなく、陸海空の生物がムジャーといます。「ミミナシウサギ」「シマサイ」をはじめとして、中には「双頭の蛇(!)」みたいなのまで。これらの写真を上手いこと集めて得点することが目的。
先に言っておくと、この「アマゾン」は前作とは全く異なるゲームです。手札とかありますからね。得点計算方法と「列」という概念、手番の行動が「2択」といった伝統は継承されていますが、プレイ感は全く別物。たしかにジレンマはありますし、シャハトらしいイヤラシサもありますが、前作のような凶悪さは影を潜め、非常に軽い雰囲気(でもちょっと偽装)のカードゲームに仕上がっています。
「マンマミーア」と「ソーレミーオ」のような「改良&改名」ではなかったことを嬉しく思う反面、前作をさらに進化させたようなオモシロを期待していた自分がいたりもして、なんとも複雑な心境。だって「コロレット」を名乗ってますからね、これ。
ということでルールの詳しい話をば。ネタバレしまくりなので、要注意。
9割くらいルール和訳状態です。画像を参照するとほぼ遊べちゃうかもなので。


システムが異なるおかげで、2−4人用。しかも基本ルールは2人プレイを想定して説明されていました。ということで今回は2人プレイで遊んでみることに。
生き物は前述のとおり18種。それが各○枚。それぞれの生物は4つのカテゴリーのいずれかに分類されています。大体でいうと、陸、海、空、爬虫類、みたいな感じ。理由は聞かないでください。
カードは全て4色に色分けされていて判別は容易です。また、カテゴリーに属する生き物の種類数は異なります。そしてプレイヤーは手元にそれぞれのカテゴリーに対応する列表示カードを受け取ります。ちょうど前作みたいに横に並べて、4つの列を各プレイヤーごとに持っている感じ。並ぶ順番には決まりがあって、これがゲームのアヤだったりもします。重要。さらにカテゴリー(色)ごとに列に並べることのできる枚数上限が異なります。種類数に同じ。前作のように全部3枚までということではないのです。
手番には自分の手札の中から選んでプレイ。自分の場の対応するカテゴリー(色)に並べるか、相手にプレゼントするかの2択。そしてカードを補充。この繰り返しです。当面の目標はカテゴリーごとにすべての生き物を発見すること。
で、当然ながら配置に際しての制限もありまして。
既に置かれている生き物のカードを出してしまうと、既配置のカードもろともに捨て札になってしまいます。カテゴリーに属する生き物はそれぞれ1枚だけあれば十分ということです。カテゴリーごとに収集した写真の種類が増えるほどコロレット方式で点数も増えます。
そのカテゴリーが4つあるわけですよ。自分にも相手にも。・・・・そろそろゲーム勘のある方は全容が想像できつつあるのではないでしょうか。えー、7割正解ですが、3割不正解です。
で、続き。手札のめぐり次第では何を出しても自分の場札が減るので、そういうときには相手に「あげます」といってプレゼントします。もちろん制限は有効なので、相手は大抵の場合困ったことになります。
そこで相手はさらに2択。「素直に受け取る」か、「拒否してみる」かを選択します。ここで前述の列の並びが関係してきます。素直に受け取る場合は対応するカテゴリーの列に配置。制限があればあわせて捨て札にされますし、なければそのまま置けます。
拒否する場合は、対応するカテゴリーの列に「隣接する列」から任意の生き物を選択して、組み合わせ違いのあわせ捨て札に出来ます。身代わりって感じ。隣接していることが条件なので、もちろん隅っこの列なら「隣」は一つしかありませんし、飛び越えて隣だー!なんて無茶は言えません。ちなみに、隣接する列に生き物が1枚もいなかった場合は、選択の余地すらないです。
ま、要するに相手に攻撃ができるということですね。自分の列を充実させるか、相手の列のカードを減らすか。もしくは自分の列を減らさないために、相手に仕方なく送り込むか。というのが基本ジレンマ。
でさらに要素。いずれかのカテゴリーに属する生き物を全て発見することが出来たら、コレクションが完成したとして評価され、それらのカードを全て回収することが出来ます。回収されたカードたちは以降に攻撃を受けることはなく、得点が確定します。安心。しかも回収して空っぽになったカテゴリーに対して、改めてカードを配置し始めることもできます。
さらにさらに。各カテゴリーごとで最初に「回収」したプレイヤーには先着1名でボーナス得点あり。4つあるのでチャンスは4回。これも結構重要です。
で、誰かが人数によって異なる規定数のコレクションを成立させたら即ゲーム終了。山札が尽きても即終了。ボーナスと、完成したコレクションと、場に公開した列のカードを全部計算して、多い人が勝ち。3−4人用だとちょこっとだけ連続攻撃についての制限が増えます。です。でも基本はほぼ一緒。
と、まあルールはこんな感じ。細々とした例外ルールとか注意事項には触れてません。前作のように一つの場を共有しなくなったのが大きな違いですね。代わりに、全体のカード流通量が大きな「場」として機能しています。山盛りのイヤラシサはここに起因するものが多いです。
「例えば」。コレクションは完成が近くなるほどに種類も増えるので、攻撃される可能性が高くなります。相手に対して攻撃できるカードを持っていて、攻撃せずに自分の手元に公開した場合、相手がそのカードで持っていて攻撃することができたなら、手元に出せないカードを処理することができて一挙両得です。同種の生き物を捨て札にした(された)場合、都合2枚がゲームから取り除かれるので、以降はその生き物の貴重度がぐんと上がります。当然、そのカテゴリーのコレクションを完成させることは難しくなります。しかも完成間近でその状態にされると最悪。とにかく待ちが狭いので当分は状況かわらず、その間、攻撃される回数も、自滅していく可能性も増えます。まさに破滅スパイラル。「蟻の穴が堤防の決壊を引き起こす」という例えそのままです。ですから、攻撃されても抵抗を選択できるように、何も無い列を作ってはいけません。長期的に見ればリスクが高く、被る損害は甚大なのです。
とかね。
序盤はひたすら自分の手元に配置するだけなので、テンポ早いです。基本的には得点を確定させれて、ボーナス得点を獲得でき、終了条件でもある、コレクションの完成を目指すことになります。中盤くらいからは損得を計算しつつ攻撃のうちあい。手札は少ないですが、攻めるか守るか温存するかの考えどころはシャハトらしい苦しさ、悩ましさ。種類数が多めのカテゴリーでコレクションを完成させると展開が楽になりますが、それだけで勝てるということでもなく、場全体に満遍なく得点を蓄積してゲーム終了に臨む必要があります。
短時間で決着するので、2人で数回遊びましたが、点差は開きにくいように調整されている感じ。
また、個人場札の形式となると、どうしても場所を取りがちですが、カードのデザインにて一工夫。種別をわける生き物のイラストをカード上部に偏った描き方をすることで、重ねても容易に何が配置されているか見分けれるようになっています。これには、あ、なるほどと思った次第。カード全体でしっかり色分けされているので、カテゴリーの見分けの際も問題のないデザイン。しかもちょっとお洒落。
3−4人では遊んでいないので、まだなんとも言えないですが、前作ほどの衝撃はなかったです。2人プレイのお相手も「これ、運ゲーやと思う」とバッサリ。確かに2人だと、引き運が悪いと何かにつけて厳しい構造だとは思いますが。表向きが軽いプレイ感なので余計にそう思えるのかもしれません。


しかし何となくまた遊びたくなるような後引くオモシロがある気がするのですよ。
現に今、バシっとカメレオンとか出して「これ、あげます。」って言いたくなってます。
また週末にでも。