1月23日自宅ゲーム会にて。その顛末 4冊目。

"「クレイジーレース(Crazy Race)」"

M.Schachtの鉄道三部作の一つ。鉄道でクレイジーにレースするゲーム。久しぶりの投入です。三部作の中ではムガルが一番オモシロという世評がどうも一般的のようですが、このクレイジーレースもかなりの実力を持っていますよ。なにせ「クレイジー」ですから。
まず、手札からなにから全てが不足気味のバランス。しかも全員が同じくそんな状況に置かれているわけです。とにかくカツカツ。先を争うレースゲームなだけに誰かが得するようなことがあれば、まず間違いなく誰かがゲンナリさせられてます。この小さな箱によくこれだけ歯をギリギリ言わせる要素を詰め込んでくれたものです。特に「裏向けビッド、パス有り3周」の攻防がかなり熱い。3周もビッドできるのか、と一瞬でも思ってしまった過去の自分に大甘の烙印。甘い考えを微塵に打ち砕く厳しい取捨選択。自由を与えてくれているようで、そのじつ与えられたのはキツキツ感だったという無常の仕打ち。
その主なる原因となるのは手札。ギリギリ過ぎです。これだけしかないのになぜ一度しか補充させてくれないのですかと、天を仰ぎ叫びたくなります。悶絶しそうです。また、バッティングの処理も「先置き優先」と判りやすいながら、手札の数字構成や3周ビッドとの相乗効果でかなりのジレンマを生んでくれちゃってます。必勝の勢いでビッドしたものの、見透かされてただ一枚。放置されるままにむざむざと勝利した日には、一人で勢いづいていた自分を悔やみ、「ああ、なぜこんなに大きな数字を先置きしてしまったのか」と事あるごとに思い出す始末です。
とにかく心理戦、ちょっとカウンティング、ボード上の状況を見据えた判断。害ない時には譲り合い、争う時には必殺の構え。常に明確なスタンスを求められる、小箱ながらかなりタフなゲームです。なんだか胡散臭いまとめですが、とにかくオモシロ。結構キツキツ部分をアピールしましたが、小箱なりに軽いゲームに仕上がっているので、心配は無用です。ムガルも勿論ステキゲームですが、クレイジーレースの熱さもかなり侮れないものがあります。ぜひ一度お試しください。
こりゃあルールの詳しいところが気になりますな、という方はバネストさんの「いんぷれっしょん」を一読されるとなお理解が深まるかと。
ところで余談ですが、FXにも同名ゲームがあるので要注意。これはあくまでTimbuktuです。あ、そうそう、あまり話題に上らない三部作残りの1作であるステマネ(略)ですが、あれは別にいいです。まあ、これもあくまで参考としての意見。