"「ドラゴンデルタ(Dragon Delta)」"

ところどころ岩場が見え隠れする竜神池に足場をおいたり橋を渡したりして、自分の村から対岸の村に渡るべく、我先にと争うゲーム。
行動は完全プラン制で、各プレイヤー同じ構成のカードを手に取り、五つのアクションを事前に計画して一枚目から順次動いていくという進行。しかし、困ったことに、移動やらなんやらはそのカードにプランされていることが正確に実行できない場合、即「スタート地点に戻る」という凶悪なペナルティがあります。もちろん邪魔しあいです。だもんで、それを回避するべく読みあいですよ。といっても、要所がわかりやすいのでそんなにギリギリはしないですけどね。ここだけは!というポイントで3択くらいに悩む感じ。まあ状況次第では一触即発な場面も当然出てきますが。そうなるともう綱渡りにつぐ綱渡り、ヒヤヒヤどころじゃあないです。特に中盤から終盤によく見られる風景。目の前ゴールってとこでスタートに戻されたらゲンナリですから、それこそアワアワいいながら計画&移動するわけですよ。
中でも強烈なのが、ラウンドに一枚だけ使用できる「特定のプレイヤーの、指定した枚数目のアクションを完全に無効化する」カード。これも事前に計画するのですが、上手く使われると「足場置く→橋を置けない(キャンセル)→でも移動する→ボチャン」みたいな感じに。読みがあたると爽快ですが、落とされるほうはたまったものじゃないです。うぎぎ。
こりゃ結構オモシロです。アクションには若干の「ゆらぎ」が持たされているので、そのゆらぎ分がいい具合にお気楽要素になってます。なので終始続く息苦しさとは無縁。移動経路やプランの工夫による「出し抜き&抜かれ」がちょこちょことあり、それがすぐに結果として反映されるのも楽しさの要因かも。
また、コンポーネントも雰囲気があってイイです。足場として置かれた木製の駒に実際に細長い橋を架けて、その上にプレイヤー駒が立てるようになっていたり。中空に浮かぶ色とりどりの橋を行き来している状況というのは見ているだけでも結構楽しいです。
最終局面ではどうしても足の引っ張りあいになりがちなのは全く以ってこの手のゲームの宿命ですが、それを差し引いても雰囲気あるオモシロゲーだと思います。