佳作くらいが心地よい−4

"「フィルシーリッチ(Filthy Rich)」"

Wizards of the Coast社の変なゲーム。Richard Garfield作。というと「ロボラリー」やら「Mtg」やらが代表作、ですかね。 このフィルシーリッチはバインダーファイルをボードにしているのが特徴で、4ページあるいずれかのスロットにビジネスの看板カードを差し入れることで金儲けの準備完了。あとは都度に振られるダイスの数字が自分の看板位置をヒットすれば、客が自分のビジネスを訪れたこととなり、お金を落としていく。各ビジネスには維持費が必要で、時折起こる税金の取立てでせっかく稼いだお金もごっそり持っていかれるので、効果的な看板を適度に出すことが重要だったりする。で、稼いだお金でぜいたく品を3つ買ったプレイヤーが勝ち。
このゲームの最大の特徴である、バインダーの使い方がすごく良く出来ていて、ページ間の移動によって、下のページに置かれた看板が見えたり見えなかったり。見えてさえいれば、階層が変わっても効果はあるので、覆いあい、避けあいもオモシロ。ちなみに階層があがると振るダイスも増えるので、連続ヒット&連続税金などと、ハイリスクハイリターンな感じ。お金は常にキツキツで、偏った出目で税金の取立てがドドドと来ると、すぐに、破産。ゲーム、脱落。・・・・酷い。でもオモシロ。
基本的にダイスゲー。しかもバランスはダメなアメゲー。特殊効果を持つカードが全体の9割くらいなので、もう、派手な効果の打ち合いです。組み合わせによってはコンボ効果で凶悪な状態になったりもします。中には単体でもヒドイ特殊効果を持つレアカードもいくつかあって、このあたりはもう引き運のみ。しかも収入はダイス運のみ。なので、時に一方的な展開になることも当然あります、というかそうならずに終わることはないです。
ゲーム開始時に「なんだこれ」と一瞬疑問に思えたことも、最終的には「面白いじゃないか」と思えたから問題なし。ただ、オモシロの方向性が、アクションゲーム的というか、飛び道具的なので、ボードゲームとして接するのは間違いのもとになる可能性大。
あと、稀に泥試合みたいになるときもあり、その場合はとてもゲンナリすることが予想されるので、そういう時こそ一端の大人としてテンションあげて乗り切るのが、吉かと思われます。