衝撃の問題作。

そんな衝撃の問題作の名は
エッフェル塔ゲーム(Eiffel Turm)」といいます。
ルールもよく確認せずに買ってみたのですが(買うな)、
まさかこんなバカゲーだったとはっ・・・・!!!
初めてルールを読んだ時、
そのあまりにも破天荒なアイデアに悶絶。
震える手で密やかにテストプレイしたものです。


今回は画像付の詳細所感。
その全貌をとくと見よっ・・・・!!!




”「エッフェル塔ゲーム(Eiffel Turm)」”

Piatnik発のカドゲ。タイトルを見てもわかるとおり、エッフェル塔を題材にしたゲームです。
ゲームの概略はというと、俗にいうバランスゲーだったりします。
カードでバランスゲー? は? トランプで組むみたいにするの?
ええ、ですがその解答だと遠からず近からずといったところ。
それだけじゃないから画像入りなわけですよ。



外箱
これが外箱です。
あまりにも巨大なエッフェル塔を見上げる男性のイラスト。
頭にはベレー帽。そしてさりげなく腕にはバゲット
舞台がフランスであることを感じずにはいられない、絵師のセンスに脱帽ですねえ。
最小の労力で最大の効果とはまさにこのこと。
え、もう、そういう話は要りませんか。そうですか。



箱を開けてみる
箱を開けるとこんな感じ。
左側が壁材カード。右側が骨組みカードです。内容物はこれだけ。
前述のとおり、ゲーム内容はこれらを使って遊ぶバランスゲーなんですね。
壁材が床部分になります。骨組みが柱部分を担うわけです。



骨組みカード
骨組みカードをバラーッとしてみたところ。
結構枚数あります。30枚強。
これを各プレイヤーに規定枚数渡して、全て使い切った人が勝ち、みたいな流れ。
ただ、この骨組みカード、このままの状態では使いません。
っていうか使えません。
カードの真ん中をよーく見てください。
ほら、不自然なラインが見えませんか。
なにやら状態がオカシイですよねえ。
ええ、そうです。
もうお気づきだと思いますが、





曲がってます
グイっと曲げます。
こんな感じで。思い切り。
もうね、全てのカードというカードをしっかりと折り目が付いて安定するまで折り曲げるんです。でないとゲームにならないんですから仕方ありません。
adlungのゲームで数枚だけ折り曲げて使え!的なゲームがありましたが、それはむしろ折り曲げなくても成立する内容でした。が、本作は折り曲げないことには始まらないのです。
「あー、カード曲げられたくないよなー」とか言ってる場合ではないのです。
まさにボドゲを愛する者に対して禁忌に触れさせるような行為。
ああ、なんてことをするんだ作者。カードを曲げるだなんて、あまりにも恐れ多い!
でもなんでしょうか、一度曲げ始めてしまったこの手は留まることを知りません。タガが外れたとでも言いますか。
で、そんな風に折り曲げた骨組みカードを使ってゲームが始まるわけです。





積み上げ例その1横
どりゃー!!


と、こんな感じで積み上げていくわけですねえ。
なぜか次の床として使う壁材カードたちは塔の下敷きになっているので、これを塔を崩さないようにゆっくりと抜きとっては上に重ねていくというアクション要素。
毎手番ごとに自分の骨組みカードを2枚ずつ消費しながら、床材を下敷きから用意して積み上げていくと。もちろん崩したら、崩した分だけ骨組みを引き取って自分のモノです。そりゃね。定番ルールですからね。
積み上げようとするたびに、しっかりと手元の骨組みカードに折り目をつけ直すという作業にも注目。ああ、今、私はカードを曲げているんだ・・・・とか思いながら遊ぶとより一層ゲームの真髄に近づけます。
っていうかね、積み上げていくほどに「自重に耐え切れず」カードが広がっていきますからね。クシャリって。その音がまた聞こえてくるんです、これまた。カサカサいってるんですよねえ。
とにかくもう、このエッフェルは耐震構造なんてかんがえちゃあいませんからね。震度1程度で崩壊間違いなしですよ(社会派発言。




・・・・とかなんとか書きながら、ふとあることに気付きました。
勢いとイメージとその難易度だけで、こういう風に積んでましたが、
実はこんな風な積み方が正しかったのかも。






積み上げ例その2縦
これでどうだっ・・・!!

ね。俄然それっぽい感じだと思いませんか。


いや、なにせルール文にも明確な表現がなければ、写真もない。
箱にもプレイ風景なんてないですし、ネット上にもなんら転がってない始末。
ということで想像で組んで遊んでたんですが。
よくよく考えてみれば、こっちの方が自重とか気にしなくてすむし、明らかにバランスゲーらしい装いじゃあないですか。
次からはコレで。
っていうか、どっちの遊び方でもオモシロですからね(負け惜しみ。


まあ総括すると、純粋なバランスゲーなんですが、
カードを曲げるという圧倒的な背徳と、紙でしか持ち得ない自己修復能力(微妙に動いていく)、そしてなぜわざわざ床材が塔の下敷きなのかという理不尽な状況が、破壊的なオモシロを生みます。
カドゲでバランスゲーを遊ぼうという破天荒なアイデア、カードを曲げるという向こう見ずなスピリット。これが日本のボドゲ界に波紋を呼ぶことは必至でしょうなあ。
とにかく冷静に遊んでは終わりなので、勢い最重要。
禁忌を破る愉悦を楽しみながら狂ったように遊びたい、そんなゲームでした。



ちなみに。
もちろん片付けるときはカードの折り目を戻さないと箱に入りません。
これはいいジレンマになるぞ・・・・(またか。