フィヨルド(Fjorde)

”フィヨルド(Fjorde)”

小さくもない、大きくもない、なんだかニッチなハンスの中箱シリーズ。新たな価格帯というか価値創造の目論見みたいなのがあるんでしょうなあ。ちなみにクイーンも似たようなサイズの箱で近頃いくつかのゲームを発売してますが、微妙にサイズは違います。重ねると納まり悪くてちょっとションボリ。
ま、それはともかく。
購入直後、隣の人相手に遊んだときはまずまずの手応えとオモシロ。後半ラウンドのことを踏まえつつ、どういう風に土地を広げようかな、なんて、あれやこれや試しながらタイルを配置したり、自分の拠点コマをいつ置こうかとか悩んでみたり。ほほう、なるほど、開拓な楽しみといった按配。
後半ともなると一手のアヤを気にかける、わりにガチなアブストラクトだったりするんですが、そう広くもない盤面、よほど絶妙なパワーバランスで突入でもしない限りは、後半始まった段階でほぼ展開と結果は見えてます。「ああ、勝てないな」とか「この地域の攻防次第だな」とかね。
1プレイの時間的な配分から考えても、主眼は前半のタイル配置な部分。ここでの良し悪しがプレイヤーの勝敗を決めるし、とりもなおさず言えばプレイヤーのゲームに対する印象も決めるっつうことですよ。って、ちょっと強引過ぎますかね、この展開。
で。
この前半部分、自分得&相手損な思考はもちろんで、カルカソンヌな流れを彷彿とさせつつもそれとはちょっと異質な感じもしてわりと好きだったりはするんですが、特徴であるところの「タイルが六角である」ことが気になりだした昨今なんですよねえ。
慣れというのもあるんでしょうが、「お、ここに配置できそうだ」なんてタイルをかざしてみたら、なんだ微妙に噛み合わない地形があったりしてションボリ。こっちならどうだ、とばかりに試してみたら、やっぱり微妙に違ってゲンナリ。うーん。どうもスムーズな進行ってことに対しては仇になってそうですよ、これ。
配置場所を模索するってのは、もちろんタイル配置系なボドゲの醍醐味には違いないんですが、こいつは少し勝手が違う。地形は平原、山、海の三種。で、少なくともニ辺を必ず接するように配置、のルール。各辺は別々の地形で二分割されることもありまして、なんだかんだと配置制限が厳しい。タイルの見た目にも微妙だったりするもんだから困ったものです。一見して、ここOKね、といった具合に配置できるようになるまでには、ちょっと時間がかかりそう。
でもまあこうした、いわば「作業」を、ダラダラとあーでもないこーでもないとか言いながら二人で遊べるのであれば問題なし。決してスマートな感じではないですが、「うわ、微妙に違う」だの「あ、こんなとこに置けた」みたいなやり取りがゲームの味付けになったりするもんですし。
遊べるか遊べないかで言えば、「遊べる」し、「オモシロ」。まあまあ良作の類だと思います。でも万人受けはしない。本作への相性次第というか、マッタリ耐性によって印象は激変しそうですよ。ねえ、あきおさん(笑。