クイソ(Quixo)

”「クイソ(Quixo)」”

豪華かつ渋いコンポーネントアブストラクトぶりで有名なギガミックの一作。っていうか、このタイトル、どう発音するんですかね。キソ?クイゾー?まあ、よくわからないんで、当方ではクイソと呼び習わすことにします。
内容はぶっちゃけて言うと○×五目並べ。5x5のエリアに自分のマークを縦横斜めのいずれかに5つ並べたら勝ち。並べられたら負け。
5x5のエリアには25個の立方体(以降、ダイスと呼称)が並んでまして。それぞれに○と×と何も書いてない面があると。ゲーム開始時は全て何も書いてない面を上に向けてます。
で。手番には外周に並ぶダイスのうち「何も書いてない中立面」もしくは「自分のマーク」が上を向いているものを一個取って、「自分のマーク」を上にして、取り上げたことによってできた空間の縦横いずれかの端から他のダイスをグッと押し入れるように動かし、配置して終了。・・・・・説明わかりにくいですね。実際に見ると即理解なんですが。
まあ、要するに中心部には直接置くことができず、外堀から地道に中に押し入れていけ、ってことです。
これがね、ナカナカにオモシロ。自分と相手の思惑が絡みあいながら縦横にスライドしていくので、なにかにつけてままならないんですねえ。ルービックキューブを二人で交互に動かしてどうにかしようとしてるみたいな感じ。それくらいもどかしい。
で、「うりゃー、これだー」とばかりに勢いで動かしてみたら、「あれ?うっかり劣勢」みたいな。ピンチのフリして、実はチャンスだったりとか。うっかりまみれ。
相手の「リーチ」を崩す感覚も独特。なにせ止めるにもスライドさせてどうこうするしかないので、「止め」に永続性がない。「防いだ、危険はなくなった!」じゃなくて、「凌いだ、が、しかし第二第三の・・・・」みたいなつらさがあってオモシロ。外周の、それも「中立」か「自分」のしか触れないという縛りがまた「なるほど」の効果を生んでいてイカス。
通常の五目並べやらが外へ外へと「膨張していく」イメージなら、こちらは内へ内へと「収縮」していくイメージ。考え方が逆なので、最初は慣れずアタフタしますが、ゲームが進むうちに思考回路が確立されていくような楽しさがあります。しかもそれは、遊ぶほどに理解が深まる類のものなので、回数を経ると新たな可能性が見えてきたりして「ヘー」って感じ。ただの五目並べで終わらないオモシロ。
見た目が見た目なので、ギガミック系の中でも特に地味な存在ですが、しっかりアブストラクトしていて遊び応えアリ。相互に影響を与えあう、動きのある盤面も見ていて楽しいです。一手で結構ガラリと局面が変わるので、「うわ、こっちもかよ」と驚かされることもしばしば。
○×で、五目で、だけど一味違うのさ、だって海外の「ボドゲ」なんだもんよこれ、みたいなところが民間戦でも戦果をあげそうな予感。地味だからこそ、触れてみてのオドロキがあって、それもまたよしってな感じ。