クアート!(QUARTO!)

”「クアート!(QUARTO!)」”

ということでギガミック/Gigamicですよ。もちろんのアブストラクトぶり。これは巷でも結構名の知れた存在ですね。ゴブレットか、クアートか、くらいのポジション。言い過ぎ?
もうね、これ、非常にゲーマーっぽい内容ですよね、つくづく。やることは極めて理詰めなアブストラクトなんですが、状況と進行具合がとてもゲーマーっぽいです。「好み」っていうか「っぽい」というのが大事な部分。
要するに、複数の要素が入り乱れる四目並べ。駒の要素としては、「高さ(高、低)」「色の濃淡」「穴の有無」「形状(角、丸)」があって、それが様々組み合わさって云々。並べていって、いずれかの要素で四目並べたら勝ち。気付かずスルーしてたら、先に「並んだ!」って宣言した方が勝ち。
キモは、自分が次に配置する駒を選ぶのは「自分」ではなく「相手」だということ。相手が「これ置きな」ってくれた駒を「わかったッス」とばかりに置くという。好き勝手には置けないんですな。
だもんで、自分の手番で「揃った!」とか宣言するためには「残った駒のどれを渡されても、いずれかの要素で四目並ぶ」という状況を作らないといけない。それをどれだけ早い段階で作れるかが勝負。最初は手探りで、で、徐々に選択肢を狭める感じにジワジワいくような感じ。次第に残っていく駒は要素的に偏りが出てきて、「うわ、もう逃げ切れねッス」みたいな。
駒の数は16個ながら、考えどころが多岐に渡るため判断が難しいです。プレイヤーによっては長考入るかも。もちろんアブストラクトなんで、理詰めはあたり前なんですが、なにせ4x4の16しかないんで、迂闊な一手で即敗北が確定。「うわ、やってしもた」→「死」みたいな。勝ち負け確定までにあまり「あそび」がないんですね。
まあ、サクサクと回数を繰り返して「むむ、もう一回」とばかりに遊び倒すのが正しいやり方なのかな、なんて。すると浅はかな一手が多発しますから、今度は「駒を相手に渡す」という状況が次々と妙なオモシロを生んでくれるはず。「次はこれをどうぞ」「え、いいの?・・・ほれ、勝ち」「ぐはあ、自己責任」ってな感じで。こうなるともう、遊び方&相手次第ですねえ、このゲームも。
孤高イメージなアブストラクトっていうジャンルを、四目並べという簡単なテーマと、相手との関係性を以って成立させたシステムによって、グッと手元に寄せてきたようなゲーム。のわりに、漫然と遊ぶには少しカツカツしているキライがあるので、個人的には苦手な系統に分類されるかも。でもまあ、そんな私でもわりに楽しめるってのは、このゲームの懐が広い証拠ですよ。とか言ってみたり。