佳作くらいが心地よい−1

"「エデン(Eden)」"

kosmosの収納し難い箱シリーズ。BigDealの作者でもある、G.Zuckerman作。簡単ルールの座標系ビジネスゲーム。手番には自分の土地を新規開拓するか、耕作で価値を高めるかしながら収入を増やしたりしつつ、相手の土地を買収で奪ったりして20ポイント分の肥沃な土地を獲得することが勝利条件。土地の新規開拓はカードで示された座標に従うので好き勝手できるわけではないですが、どこからいくかのせめぎあいは勿論アリ。全体に睨みをきかせながら手札とにらめっこする。考えなしに手広くやりすぎると資金が不足して叩かれやすくなるので、やりくり最重要。土地の買収は乗っ取りを仕掛ける土地グループの規模によっては、要する資金に大きな開きが出る。資金状態によっては対抗する術もなく安値で買い叩かれたりするので、金回りのバランス感覚が問われる。
これ、悪くない佳作だと思うんですけどねえ。ルールはシンプルですし、わりとすぐ勝負つきますし。座標系ビジネス入門って感じで結構好感触なんですが。ネット上で見てみると地雷と佳作と、評価真っ二つ。・・・というほど評価自体もないですね。
たしかに手札はそう多くないのでカードのめくりによる運はあります。でも座標系では良くある話ですし、その苦しさがかえってオモシロだったりするレベルだと思うのですが。お金のやりくりを上手くやって、目立つプレイさえしなければいくらでも逆転できそうな、良い意味で粗いルールも素敵。トップ叩きのやり易さもプラスと考えてもいいはず。シビアに遊ぶとギスギスするかもしれませんが、ダルに相手の資金状態を図っての「足元を見る」プレイがナカナカと思います。
あと、絵は微妙。特にお金である「ママ」がすごいです。どこかの民族の魔よけでしたっけ? まあ、なんというか新境地ではありますね。でも「むむむ、35ママ!」とかビットするのは楽しいですが。こういう変なお金の単位はすごく好きです。ラストパラダイスの「パラ」とかトンガボンガの「ドキャット」みたいな。
ダメですかねえ、これ。