偉い人はヒゲ。そして綱引き。

”「王朝(Dynasties)」”

ジョリーロジャーの新作。といっても2005。
古代中国大陸を舞台に二つの勢力が凌ぎを削る二人用対戦ゲーです。結構オモシロ。
ここはいつだって風変わりなヤツを送り込んできますからね。
そのチャレンジ精神というか意欲には脱帽。だから好きなんですが。
ちうことで。




箱絵コチラ。




外箱が・・・・


ドーンと立っているのは勢力の一つである「King Shao」とかいう人。
詳しくないので誰なのかはサッパリ。なのでなんとコメントすればいいのかもサッパリ。
んー。


「ヒゲがっ・・・・!!」
とか、とりあえず驚いてみたり。


「家来の人たち出たー!!」
とか、そのままのこと言ってみたり。


もういいですか。そうですか。
つか、知らなくても遊べますからね。ええ。





もはやどうでもいいかもですが、内箱の側面にはこんな文字。





名中国


名中国
これまた意味はわかりませんが、雰囲気だけは出ましたよ。中国の。
さすがの勢いですねえ、ジョリーロジャー。(何が)
センオブワンダーですな。(違う)




ということでそろそろゲームの話。




色々広げて説明中。


インスト中の一枚です。
対面に座ってボードが真ん中。5つのエリアに区切られた中国大陸。
プレイヤーは白と黒の軍勢にわかれて対峙。
キューブが勢力1を表します。数は有限。これ重要。
ボード上の白黒の駒はプレイヤーに属するものではありません。
左の白は「世代(ターン数)」の表示、右の黒は両勢力のパワーバランス表示です。
手前にズラリと並んだカードはまとめて各自山札、個人デッキ制。
構成は一緒。アドバンストルールで追加されるカードの効果がちょっと違うくらい。基本ルールで遊ぶかぎりは差がないです。
あ、そういやエキスパートとアドバンストのカード映してないや。・・・・まあいいか。
で、カード群左下の1〜6はカードの中でも、使っても常に手元に帰ってくる「基本カード」と呼ばれるもの。
その他はなんやらと効果がある使いきり系カード。ポイントポイントで駆使する戦略的なカードです。




「エリアがあってキューブを使う」
って聞くと
「二人用多数派モノかな?」
とか推測されるかもですがちょっと違います。
多数派争いっていうよりは、派閥争い&勢力争い。
「比較する」んじゃなくて、「綱引き」の関係でゲームは進行します。





それを踏まえて、こちら。





綱引きの構造。


ボード右側のパワーバランス付近の画像です。
ゲームは9世代(ターン)からなりまして。
3.6.9世代終了時に、俗にいう「決算」があります。
書かれている文字は地名。ボード上の5つのエリアに対応してます。
そのすぐ下に置かれているタイルには決算時の点数が。
左から、3.6.9世代に対応。必ずしも後になるほど増えるというわけではないです。
ゲーム開始時に大量にある決算タイルからランダムに5つ選ぶ方式。
地域の隣接などの絡みもあるので、これのおかげで展開は毎度異なる感じ。
得点の入れ方はさっき言った「綱引き」方式。
緑がゲーム開始時の始点。決算の度に相手よりどれだけ上回ったかを計算して、その数だけ「自分側に駒を引っ張ってくる」と。
パワーバランス表示端、赤の点まで一方的に引っ張れればその時点で勝ちなので、展開によっては9世代まで遊ばずして終わることもあります。





ではプレイ風景を見ながら。





実は終盤


こんな感じでボード下端にカードを並べてプレイ。
5枚あるのは5エリアに対応してる為です。
各世代の初めに、裏向けにしてエントリー。いわゆる裏向けビットですね。
で、各世代ごとに異なる(かもしれない)順序でカードをめくって、相手と比較していきます。
これまた「綱引き」処理。
相手の数をいくつ上回っているか。その結果を各エリアに反映。
エリアに置かれているキューブは「どちらの勢力に傾いているか」の表示だと思っても可。
「配置」となるか「減少」となるか、「相殺→配置」となるかはエリアの既存勢力次第です。
ちなみにこのキューブ配置、「強制配置」だったり。
使用したカードによっては「10vs1」、で「9個配置」みたいなことも有り得ます。
もしキューブが足らなくなったら、隣接地から引っ張ってこないといけないんですよ。困ったことに。
なので、勝ちすぎるのもちょっとアレ。ほどほどがイイというオモシロ。
ま、結構極端な展開じゃないとそこまではならなさげ。でもそれを罠にしてみることは可能かも。特に後述のエキスパート&アドバンストルール適用時では強烈な罠になりそうな予感。
ちなみに地名の上に各プレイヤーの勢力キューブが置かれているのは特殊カードのせい。自分のストックから置かされるので(永続)、結果的に弱体化してます。怖っ。



あ、ちょっと細やかにルールを説明しすぎてますね。今気づきました。
ちうことであとはザっと。



使い切りと常用が混在する手札の扱い方とか、無駄のない個人山札とかオモシロ。
特殊カードは最初はドバっと、あとはチョロチョロと手元に来るのが苦しくてイイ感じ。
しかもループを意識している点がまたニヤリとされられるというか。
使いどころさえハマれば強烈な威力を発揮するこの特殊カードのおかげで、数字の比べあいだけに終始しない攻防があります。裏をかいた配置が勝利へのカギ。読み合いが熱いです。
ま、悩みはしますが裏向けビットなので限界もありますし。
だもんでプレイ感は結構軽め。プレイ時間も短めなので気軽に遊んでウンウン言えます。
ウンウン言わないで淡々と遊ぶと若干アレに思うかもしれません。そういう可能性を秘めてはいますね。
裏向けビッドにあまりロマンを感じない方にはオススメできない感じというか。



ともあれ。



全体的にまとまったオモシロ。ズバ抜けてはいませんが、十分リプレイに堪える仕上がりです。
「ちょっくら読み合ってみるか!」みたいな時には最適ですな。(?)
見た目に比べて複雑さはほぼ皆無なシステムなので取っ付きやすい、遊びやすい。
慣れたらエキスパートルール、アドバンストルールを適用することもできます。
どちらも基本は追加カードの導入、なので簡単。
思考の幅は広がり、そして厳しくなるキューブのストック管理。
熱い攻防の予感っ・・・・!!



そんな感じ。