朝市に行ってみたりする話

パリでは日曜を除くほぼ毎日、わりかし大きな朝市があちらこちらで催されています。各地域の朝市の開催曜日が様々に設定されている為なのですが、旅行者の私からすれば、曜日によって「今日はここ、明日はここ」と開催場所が移り変わっていくような感覚です。
朝市といっても「早朝で終わり!」ってことでもなくて、なんやかんやとお昼ぐらいまでやってます。店の開き具合からいって、9〜11時くらいが見て回るに適した時間帯なのではないか、と経験者語る(自分)。


パリ中心部から、遠くてもメトロで15〜20分程度、近ければそれこそ繁華街のド真ん中で開催されている朝市。そんな按配ですから、どれに行こうと思い立ってもさして交通に不便はありません。大量に買い込んだあげく移動するとなると何かと厄介でしょうけどね。そりゃね。
ちなみに日曜日は朝市的なものがない代わりに、定例で結構な規模の「蚤の市」がパリ外環(俗にいうグレーなゾーン)で催されています。ガラクタまみれでそりゃもうスゴイイベントなんですけどね。掘り出し物探しの人たちがムジャラといて賑わってます。あと、その人たち目当てのスリやひったくりもムジャラといるそうですよ。ゲンナリですなあ。要注意。


とまあ、なんやらかんやらの説明はこれくらいにしておいて。


つうことで、高架下開催の「グルネルの朝市」に。数ある朝市の中でも比較的規模が大きいです。水曜日開催。
メトロの最寄駅でいうとここですね。


メトロの看板


メトロの看板です。左上の数字がこの駅から乗れる路線を示してます。「6」「8」「10」、三本の路線にこの駅からは乗れちゃうぞ、ってことです。わりかし乗り換え駅ですね、グルネル。
っていうか、パリのメトロはいたるところで乗り換え&接続しまくりです。それだけ縦横無尽に交差してるっつうことですな。しかも、とりあえず繋げとけ!みたいな乗り換えなので、距離はもうハチャメチャ。え、もう乗り換えれたの?みたいなところもあれば、延々と地下道を歩くような駅も。油断大敵ですぞう。特に夜は。余談。


グルネルのRERの駅


上はグルネルにあるRERの駅。このRER線の高架下を利用した朝市なんですね、ここは。
ちなみに、大阪ローカルな例えをするならば、「市営地下鉄→メトロ」で、「RER→JR」みたいな感じ。潜ったりもしますが、基本は地上を走りまくりです。パリから離れてより郊外へ出向く際にはこれに乗ることになります。もしくはクルマ。
で、まあ高架下といっても、日本のそれとは結構イメージが違っていて、こんな感じ。


高架下!


柱もまばらで、なんともスカスカ。普段は歩道として利用されています。道幅も広く、ちょっとした歩行者天国みたいな感じ。店を出すには十分すぎるくらいの広々空間なんですねえ。
で、朝市が開催されると、そこに様々なお店がズラーっと軒を連ねるわけですよ。


サカナ屋さんで注文
青果に夢中
バゲットがおいしそう


規模が大きいだけあって、生鮮から衣料から、もちろんパンやチーズ、果ては食器や家具インテリアにいたるまで、とてもバラエティに富んだラインナップ。これがズーっと向こうまで、ちょうど次の駅まで延々と続いてます。


チーズ、トレタテ!


そういえば、上のチーズ屋を見てたら「トレタテ、トレタテ!」とか言われました。
「え、チーズがトレタテって何かおかしいのでは」とも思いましたが、きっとこの人は私の知らない謎フランス語を話しているのだと信じて放置。にこやかに微笑んであげましたよ。いくぶん憐れみも含めつつ。



積み重なる大量の花々!


パッと見、良く分からないかもしれませんが「花屋」さんです。
街中の店舗はともかく、市場の花屋さんはこんな風に束を積み重ねて売ってることが多いです。そういうディスプレイに見慣れていないせいもあって、色の見栄えが独特で綺麗に思えます。
にしても、これ、下の方とかムギューっと潰れたりしないんですかねえ。って、雰囲気台無しだからこんな感想はいりませんか。そうですか。


哲学する魚屋


再び魚屋。っていうか、なんですかね、このインテリな店員は。なんかもう「哲学する魚屋」って感じ。
ちなみにこの店に限った話ではなく、味のある人やら格好いい人やらがやたらと多いです。ここまでくると人種の違いというか、DNA本来の実力をアリアリと実感させられますねえ。っつーか、ズルイんだよなー、西洋人はよー。ったくよー。

とまあグチはこのへんにして。
客層は色々で、このへんに住んでいるんだろなあという地元っぽい人もいれば、今日のランチの食材でも買いに来た風なビストロシェフみたいな人もいたり。もちろん、私のような観光目当てでブラブラしてる人もチラホラと見かけます。
で、その誰もが立ち並ぶお店をあっちへ行ったりこっちを見たりするわけですよ。楽しいですねえ、朝市。



って、あれ? なんですかね、あの人の背中の文字は・・・???





え?
本当に?
出たーー!!

うわーー!! 二角形出たーー!!!(ヨシナガ風)


「二角形」って、もう、ただの線ですからね。
まさか、彼は二角形が存在すると信じているのでしょうか。自由の都パリとはいえ、これは見逃せない危険思想ですよ。数学界の常識は覆され、その他世界が受けるであろう影響は計り知れません。もうね、国家転覆ですよ。
それとも、実のところ彼は異次元の住人で、二角形を認識できるとか。それをアピールすることで、人間の姿をしてパリに潜んでいる他の仲間を集め、次元戦争でも起こそうとしているのかもしれません。ま、どっちにしても国家転覆ですなー。


とまあ冗談はさておき、私が確認した限りでは、元々「三」だった形跡もありませんでしたから、「俺は二が好きだ!」という並々ならぬポリシーの持ち主だったりするんでしょうね。きっと。
パリではわりと漢字流行りなのは知っていましたが、まさかこんな事態になっていようとは。誰か彼の背負っている言葉の狂気に気付かせてやってくれーー!!(他力本願)


で。


下はその後、ふとすれ違ったスゲー愛想の良かった子供。異邦人の私に向かってこれだけの愛嬌ですからね、きっと大物になることでしょう。
・・・・いや、もしかして二角形の謎を解こうとする私に(以下略。


本当に愛想がいい子供

ニヤリ。
とかなんとか。


ということで、結構な規模でだいぶ楽しめますよ、グルネルの朝市。他の朝市やら常設の市場もいくつか見ましたが、グルネルを見た後では、どこを見ても物足りなく思えてしまうほどです。え?もう終わり?的な感じで。



あ、もしここに行った時には、朝市の末端から少し路地を入ったところにあるケーキ屋にも寄ってみてくださいね。
いや、別に美味いとかそういうのじゃないんですが、
ウィンドウ装飾の一環としてこういうクレヨンセットが置かれてまして。
パッと見は普通ですが・・・・


パっと見は普通なんですが、近寄って良く見てみると・・・・。


もしや?
そんなバカな!?
ウワーー!!

もう、ドロドロ。


一体ここで何があったのかと不安になります。
そんな緊急事態を店主に教えてあげようかとも思いましたが、私には及びもつかない何かの意図があったりしてもアレですしね。放置。
・・・・まして二角形絡みだったとしたら危険が(以下略。


気づかれて片付けられる前に、是非ともグルネルの朝市へ!!(無関係)。


そんな感じ。