ツインズ(Twins)

”「ツインズ(Twins)」”

クニツィアのやたらと熱いギャンブルゲー。巷での言及はさほど多くないですが偉大なるオモシロ。しびれるジレンマ。長文は止めるつもりでしたが、折角なのでルールとかも説明してみることに。
ゲームとしては簡易ポーカーみたいな感じ。地色と文字色が色々と異なる数字カードを使って、4つの出来役を作り、チップのやりとりをします。これだけ聞くと普通っぽいですが、もちろんヤツのゲームですから、ヒネリあり。
特徴的なのは、最初に手札8枚を配りきって、2枚ずつ4回戦を連戦させるというスタイル。しかもそれぞれのラウンドでは出来役の強弱はそのままながら、異なるルールにてチップの出入りがあります。人数によって違うんですが、一例として4人時の場合をば。
1、下位2人が2金払う。
2、トップが3金受け取る。
3、下位一人が1金払って脱落。
4、トップが残っているお金を全て受け取る。
ってな感じ。だもんで、事前の「どこでへこんで、どこで頑張るか」計画が重要。
で。
ちょっと、上の一例の「金の流れ」に注目。見れば、実は最後まで生き残った「トップ」は「2金しか」得ていません。激戦を勝ち抜いてきたのにですよ。2回戦で勝つほうが儲かるという。このままではゲームとしてオカシイわけですよ。
まあ、タネを明かせば、これら以外にもさらなる配当ってのがありましてね。それが一連のラウンド開始前に支払われる「カードを買ったお金」。
手札8枚以外にもカードを買い足せまして。「これじゃ勝てない」だの「ここは勝負に出るか」だの、理由は様々ですが、1枚なら1金、2枚なら3金でカードを追加購入できるんです。買い足しても使う枚数自体は変わらないので、可能性が広がるってな感じ。で、このお金が追加されて配当に回ると。
言ってしまえば、参加者の「不安感」や「ギャンブル心」がより大きな博打へと転換されるという仕組み。なんですが。裏を返せば、自分で自分の傷口を広げるようなシステムってことですよ。でも皆、そのことには気付かないフリをして「勝てばいいんだ、勝てば・・・・」なんてブツブツ言ってるわけです。ギャンブルの暗黒面が垣間見えますねえ。
とはいえ。
勝負どころまで生き残るためにはそれなりの代償は必要で、全てを勝つなんてことはできません。ギリギリでかわして無駄がないように画策するわけですよ。どこで相手が勝負に出るか/出ないか、凶悪な心理戦です。浮き沈みが激しいですからね。もう必死。スゴイですよ。
もちろんギャンブルゲーですから、手札運は重要です。豪運の相手にはどうあがいても太刀打ちできできません。しかし、被害を最小にするのは自分の読み&立ち回り方次第。運気には波があるので、堪えれば必ず巡ってきます。そんな運気の高まりやらを感じ取って、勝負に出ることができるかがカギ。好機が訪れているのに、ウカウカとスルーしてしまうようではギャンブラー失格なわけですよ。だもんで、運の「読解力」こそが最重要ってことで。
テンポはサクサク、短時間でこの白熱ぶりはナカナカのもの。チップの質感も良くて、だいぶイイ。まあ、「ゲーム」っていうよりは「賭け事」なので、好き嫌いは出ますけどね。しかしそれを差し引いてもイケてます。



余談ですが。このゲーム、最初に持金としてチップを配ったら、以降は外部から増えたりすることはないです。完全に参加者間での流通&やりとりのみ。・・・・・ね、そういうことですよ。ヤバイです。必死。
いや、私はチキンなのでやったことはないですけどね。堅実にボドゲ買いますから、ボドゲ