建築士(Architekton)

”「建築士(Architekton)」”

Queenの新たな展開、手軽な小箱ボドゲシリーズ。アルハンブラ系の拡張と同じ箱サイズです。「微妙なサイズで収納しづらい」という嫌な伝統を引き継いでるアレです。
ゲームはシャハトの二人ゲー。「世界」拡張タイル配置もの。箱庭的楽しさでナカナカ良い雰囲気。ちょっとパズル要素もありつ、めくり要素もありつ。サックリ20分くらい。わりに遊べます。
場に6枚ほど公開されている建物タイルと土地タイルのうち、いずれか2枚を配置して手番終了。交互に手番を繰り返して、時々途中決算して、最終決算して終わり。流れはとてもシンプルなんですが、ルールの細々とした部分に巧さが見え隠れして、ホホウと感心させられます。配置制限がすなわちオモシロのキモになるというのがなんともシャハトらしい。
見栄えもナカナカ。チェスボードの白黒のように建物と土地とが交互に並びながら広がっていく光景がイイ。この配置の仕方が攻防部分で活きてくるわけです。ゲーム中の時々途中決算というのがそう。「自分のものにした」建物の四方を土地タイルで囲みきった際、不都合なくタイルが繋がればプラスに、無理があればマイナス決算になるというもの。
もちろん心がけるのは、相手に損して自分に得する配置。上手く立ち回れば、相手の建物を取り除かせることもできます。しかし固有の土地タイルには限りがありますから、そうそう思い通りにもいかないのもイイ。このあたりタイルの出現順やらめくり運が絡んできたり。「沈む」タイルもあったりとか。ちょっとした工夫が随所に活きてます。
最終決算で問われるのは、斜めに連結しながら建っている自分の建物の数。建築状況次第では加点対象にならないっていうルールがあるので、リスクを知りながらも建物周辺を確定させる必要があったり。短時間ゲーながら「拡張→収束」の流れがきっちりと意識的に作られていて「やるなあ」って感じ。
まあ、群を抜いてオモシロかというと微妙なんですが、「確実に一歩前に出ているオモシロ」ってところ。良くも悪くも手応えはシャハトらしいドライぶり。タイルの雰囲気がそれを緩和してますけどね。「邪魔する」か「協調する」か、みたいな流れはちょっとカルカソンヌを思い出しました。考え方が似てます。ちなみに私はカルカ「二人、拡張なし」派。だもんで、このゲームも好きです。
7/6追記:
タイトル「アーキテクト」になってましたね。いやはや。