コードX(Code-X)

”「コードX(Code-X)」”

木製ベースを橋で繋いで、繋げなくなったら負け、という至極単純なルールの謎ゲーム。個人的にはマッタリ系の新境地ではと感激した次第ですが。
あとでわかったのですが、このゲームは「枝のゲーム、アルボス」の会社の製品でした。総木製のコンポーネントにも納得。
ということで詳しい話をば。驚きの連続。
ベースとなるのはしっかりとした重量感ある木製ブロック。サイズは標準的なキーボードのキー、4×4サイズ。厚みはキーよりちょっと厚め。なので、掌サイズ。その4隅には穴。その4隅の穴の間に更に穴があるので、計8個開いてます。
このベースにはそれぞれにアルファベットが割り振られていたり、1から4の数字が書かれて(共に焼印)いますが、特にゲームに関して何かの意味があるというわけではないです。・・・・まずここで、私は度肝を抜かれました。意味ないのかよ!みたいな。
そして棒。というか箸。扁平なので、箸ですよ。で、その両端にはまた穴。これがゲーム中はベース同士を繋ぐ橋になります。以下、橋と呼称。この橋はムジャーと大量にあります。いろんな距離に対応できるよう、長さも様々。同じ長さの橋には同じ数字が割り振られて機能的です。
しかしその数字自体には、これまた意味がありません。使われている数字は1から始まって昇順なのですが、数字が増えたからといって橋が徐々に長くなるわけでもないのです。5が長かったかと思えば、6はその半分以下、でも7はその中間の長さだったりと、謎が多いです。まあ、画期的といえなくもない斬新さ。私は思いもよらず腰砕けです。
話、戻します。
この橋をペグ(丸い刺し棒、釘みたいなの)でベースに挿します。これでベース同士が繋がりました。しかし1点固定では、まだ「固まりません」。それぞれのペグを支点に、ベースの位置から何からグルグル動かすことができてしまうのです。
本作のオモシロなところは、まさにこのあたり。相互関係によって盤面が確定していく、という点。ゲーム中は誰もが好き勝手にぐりんぐりんと動かしますし、実際、動かす行為そのものや、他のベースと繋いで固定点を増やすというのはとても楽しいのです。おりゃー、それはこっちだー、で、ここからこう引っぱってきて、よーし、これはここで固めてみよう、みたいな楽しさ。
あ、そういえば。
ペグには、ベースに挿した後もある程度の長さが露出しています。ちょうど橋を3つ重ねることができる程度の。これにより、一点のペグに3本の橋を固定する事ができます。
とここでゲームの制限らしい制限が一つ。ベースを繋ぐには同じ高さで橋を渡さなければなりません。橋が斜めになるのはダメってことです。高さが揃わなければ橋は渡せません。
そうそう、もう一つ制限ありました。基本として、同じ長さの橋を上から見て重なるようには置けません。もちろん例外もありますが、この際どうでもいい話。
まあ、これらを大胆に要約しますと。高さが異なる橋が複雑に交差しながら、ベースを繋ぐ。繋ぎ方は好き勝手、とにかく繋げるだけ繋ぐ、繋げなくなるまで繋ぐ。ただ、それだけのゲームなんです。



いや、ゲームという言い方をするとアレなのですけどね。もはや。
自由度が異常に高いですし、中盤過ぎても何がどうダメになって負けるのかということが全然判りません。ただ漫然とベース同士を繋ぐことしかできません。
たしかにシビアにやれば、残りの橋の数を考えて理詰めで云々できるのかもしれませんが、遊んでいるとそういうことは結構どうでもよくなってきます。
なんというか、マッタリタイム。ちょうど積み木を試行錯誤しながら、あっちでもないこっちでもないそっちがカッコイイと、全員で積み上げていっているかのようなオモシロがあります。共同作業の楽しさ。ダラリとした時間、童心にかえるマッタリ感がとてもイイです。
もう繋げるところないなあ、と誰かが諦めたあとに、テクニカルに繋がる立体交差を探したりするのもまた楽しい。それが見つかると更に嬉しい。
何かを期待するようなこともなく、誰かを陥れることもなく、ただ繋ぐ。もうゲームではないのかもしれません。が、重いゲームの後なんかに、ふとこれを取り出してアレコレするのはかなりの和み。こういう「抜けた」感じもアリではないかと。私はかなり好きですね。これ。