”「ブームタウン(Boomtown)」”

要素多めの競りゲー。金が産出される鉱山カードやら特殊カードやらを競りで獲得してお金儲けすることが目的。
変わっているのは、毎度人数分のカードが競りにかけられて、しかも競り落とさなくてもカードドがもらえてしまうという点。落札者から一枚ずつ時計回りにカードを受け取れてしまいます。ラッキー。で、支払いも変。バンク、じゃなくて反時計回りにに半分ずつ分け与えていくというもの。カードも巡るし、お金も巡る。だもんで、都度の競りにおいて「これ、私が競り落としていいのかな?」みたいな逡巡が基本のオモシロ。
毎度ダイスを振って金の産出を判定するというのも、山師っぽくてイイです。鉱山カードには金の産出量とダイス目が描かれていて、それを使ってカタンばりの産出判定をしてしまいます。どんなに鉱山持ってても出目次第ってのがとても残酷でイカス。鉱山の区域(色)ごとに最多所有者には市長として徴税できる権利みたいのもあるので、多く持っていてムダにならないというのもイイ。市長の奪い合いも熱いです。収入源を大局で見ると「可能性の鉱山」「堅実の市長」みたいな感じ。
ダイス、そして大味な特殊カード。全体的なプレイ感にはアメリカンテイストが満ち溢れています。いや、むしろ爆発。しかしカタンの伝統を上手く利用しつつ、変則的な競りの解決方法を持ち得たことで、キワドイところで踏みとどまっている感じ。毎度競られるカードを「誰が競り落とすのか」がよくあるその辺の競りゲー以上に全員の損得に直結し、場を大きく動かすような作りになっているのが個人的に好印象。他が大味なので、このくらいキツキツでちょうどいいのです。
全体のカード総数が多めなので、ちとダルな気がしないでもないですが、これ以上減らすとお楽しみの攻防まで減ってしまってアレでしょうし、案外苦渋の選択だったのかもしれないですねえ。
無難にオモシロ。でも遊びやすいので、取り出しやすいとは思います。なんともフェドゥッティらしい仕上がり。