「ホークスポークス(Hokus Pokus)」

HABAの新作。前作「海賊の決闘(Piraten Duell)」に続く、瓶詰めゲー第2弾。あまり期待していなかったものの、実はかなりオモシロだったという「拾い物ゲー」です。
前作「海賊の決闘」ではビンの使い方がダイスを発展させたものに過ぎず、まあアリですね、楽しいし、くらいの感じでしたが、今回は違いますよ。振り方は一緒ですが、意味合いが違います。えー、「アンドロメダのおみくじ」みたいな感じといえばご理解いただけるでしょうか。中身は毎回のプレイヤーの主張度によって変化し、それがかならずしも功を奏するとは限らないのですよ。
ゲームの進行としては4段階で成り立ってます。ビンに自分の材料をいくつ入れるか秘密入札する、実際にビンを振ってみる、ダイスでその効果を適応するか決定する、各自の駒を進めたり進めなかったり、という流れ。ボードはなく、カード十枚で道中を表現しています。
入札できるカードの総数には限りがあるので無駄遣いしたくありません。しかし「今回は入札自体を無効にして、使用したカードを全員捨てさせる」という酷い効果のカードを各自が持っているので一筋縄ではいかないようになっています。自然、読みあいかわしあいの入札になるわけです。
入札が無事に実施されたら、主張したカード数に従い、材料をビンに投入して振ります。で、その結果次第で、誰の駒が進めるかが決定されたり、誰がカードを補充できるかが決まります。で、ダイスはその効果をどの程度適用するか、ビンを振りなおさせるか、すべてを無効にして入札自体をなかったことにするか(!)を決めます。
ここまでの説明でお気づきかと思いますが、このゲーム、とてつもなく運ゲーです。意思でどうにかなる部分は最初の入札の時くらいのもので、あとはひたすらに運が要求されます。ですが、なんといいますかこの運の部分がですね、バースト系の面持ちといいますか、祈りにも似た想いが介在するとても良いゲームだと思うわけです。「ブラフと運で前に進む」とは良く言ったもので、前半戦の駆け引きだけでも後半戦のビン運&ダイス運だけでも進むことができません。勝ち負けもさることながらすごく楽しめるゲームだと思います。感覚としては「クラウド9」と同じ系統のオモシロさ。ちょっと言い過ぎたかも。しかし、期待する一体感、ワーワーやってるうちに勝者が一人決定するみたいなところは良く似たオモシロだと思いますよ。
「子供ゲーだからイラネー」なんて思ってスルーするとあとできっと後悔するくらいにはオモシロなので、ここは一つ騙されたと思って。
オススメ。