たまにするならこんなゲーム−1

そんなこんなでfromPS広島な一品。中でも、なぜかこれをば。
"「潮干狩りゲーム(Vorsicht Qualle)」"

Nurnberger Spielkartenの一連の小箱シリーズの一作。なぜかこれだけ買いそびれていたので、これを機会にと購入しました。作者はウィルスカンパニーのFrank Stark。マイナー作者(?)ですね。発売は去年のエッセンのはずですから、かれこれ1年になりますか。
ゲームの内容はメモリー系。お題カードである山札を一枚ペラリとめくると謎の水棲生物が描かれています。適当に広げて伏せられている場札20枚の中から該当するただ一枚の「それ」をめくらないように、各プレイヤーが一枚ずつ順番にめくっていきます。で、運悪く「それ」をめくってしまったら、最初にめくられたお題カードを失点として受け取り、次のラウンドへ。お題カードを5枚集めた人が負け。実にシンプルです。
さて。なんといってもこのゲーム、ある特定のカードだけを「めくってはいけない」という消極的な姿勢が面白いです。しかも失点となる場札をめくるまでは、既にめくられた場札は裏返しに戻したりせず表向きのままにしておく、というルールがあります。すなわち失点してラウンドの移行があるまでカードは開きっぱなしなので、最初の2〜3ラウンドはともかく、すぐにどのカードも一度は表向きになったことがある状態になるのです。が、全てのカードを覚えることは大変なので、「この辺にはなかったはずだ」という不確かな記憶を頼りに、一枚また一枚とめくることになります。この漠然とした感じがたまりません。また、謎の生物達の中には「色違い」「姿勢違い」など紛らわしい罠を持つ輩も存在するので、うっかりヒットを誘発させてくれます。
完全に記憶するつもりで遊ぶと「面白さが半減する」気がするので、何気にテンポ良くザックリ遊ぶことを推奨したいところです。勢いだけでブワーっと場札をめくっていくうちにドンドン対象が絞られて、いよいよ危険ゾーンな数枚!ともなるとかなりドキドキします。そこに至るまでのセーフティの猛烈なめくりあいも楽しいですね。時には紛らわしい罠に引っ掛かって「うっかりヒット」が出るのもなかなか。失点を減らすお題カードの存在や、場札の位置を任意に変更させることができる要素もあって、軽いドキドキ感は持続するようになっています。だいたい、メモリー系なのにラウンドごとに場札のほとんどが表向きになっている状況自体がイカレていて、これは小品ながらなかなか良いです。うっかり面白い感じですよ。なにかの注文の折には是非。