"「ずっこけカエル(Frog Tennis)」"

MBのすごいゲーム。なにがすごいって、このカエル、叫びます。
「ずっこけカエル」は簡単に説明すると2人用のゲームで、向かい合うように座って、カエルをラケットで打ち合うゲームです。これだけ聞くと一部のカエル好きの方を除いて、あまり興味をひかない感じなので、もう少し細部を説明してみます。
まずはタイトル先のリンクにある画像を見てもらったほうが判りやすかもしれないですね。
カエルは中央に置かれたマシン(そんなにハイテクでもない)から伸びるスティックに繋がれています。カエルが自陣の池にに着地してしまうと1点とられてしまうので、それを付属のラケットマシーン(アナログの極み)で打ち合うのです。が、打ち合う速度、状況によって音声がでるようになっていて、これが猛然と面白い。カエルが「ボヨヨーン」と跳ねる音や、池に落ちてしまう音「ボチャーン」なんかもありますし、打ち返す速度によって音も違ってきたりします。あげくカエルは滞空時間が長いと喜んで「ウォーホホーイイ」と盛大に叫びます。かなりイカレタ喜びっぷりにバカウケです。
で、次にゲーム的な面白さを生み出す細部を説明させてください。まずカエルはマシンに繋がれているため、完全にフリーで動くことはありません。が、予想を裏切るくらい自由自在に跳び回ります。左右の振れ幅も十分に確保されていますし、打ち返しの速度もかなり加速します。それこそ、壊れるかもと思うくらいの速度を出すことが可能です。
また、繋がれているからこその、「左右にある見えない壁の存在」がゲームに面白さを与えています。慣れてくると壁当てを活かしたテクニカルなショットが打てるようになり攻防に幅が出ます。しかもカエルはスティックを中心にグルグル回るようになっているので、うまくすると「カエルがすごい速度で回転しながら、左右の壁にガンガン反射しつつ突撃してくる」ミラクルショットも打てます。
他にも、ラケットはルールでテーブルに底面を常に触れるように動かすとの決まりがあるのですが、この不自由さがまた良いです。カエルをラケットで迎えにいくことが出来ないので、的確な着地点の判断が必要になります。これは機械の構造上仕方がない為のルールなのですが、逆に面白さを高める要因の一つになってかと思います。
カエルらしさを出す動きの再現も独特で、気持ち悪いくらいにしなやかな動きを披露してくれます。
さて、この系統のゲーム(電源アリ)として思い出されるのが、名作「クルクルケッコー」ですが、この「ずっこけカエル」は間違いなくその正常進化だと思います。構造もそうですが、特にゲーム性が非常に近いものがあります。リメイクというと差し支えあるかもしれないですが、巷には元のゲームが何かわからないようなリメイクも少なくないですし、「ほぼリメイク」ということで如何でしょうか。おもちゃの中でもキワモノなので手も出難いですが、変な2人用ボードゲームを買うくらいなら、迷いなくこちらを買うべきです。間違いなく楽しめますし、なにより、3年後には「クルクルケッコー」と同じ扱いになりますから。