"「タブララサ(Tabula Rasa)」"

Spiel Spass。R.Knizia。最近、バトルラインが再販されたので、そっちでも良かったのですが、ひねくれてショッテントッテを出そうとしてみて、やっぱりこっちを出してみた。10ある領土での争い。相手と対峙して、手札の騎士を配置しあって戦う。騎士には5色1〜5の種類がある。領土はそれぞれ、指定された色か、数字しか派兵できないという決まりがある。あとは最終清算の時に、単純に領土ごとに枚数を比べて多ければ領土を取れるし、同数なら引き分ける。それだけ。カードを配置して役を作っていったりしないので、ジレンマはとてもシンプル。数字として派兵すると色側が手薄になるし、色として出すとその逆が、といった次第。「あちらを立てればこちらが立たず」がスッキリしててわかりやすい。既にテーブルに出された騎士の状況を見ながら、「これは出したくないから、こっちを先に出すか、いや、しかし、これは・・・。」といった感じに悩む悩む。相手の手札を読みながら、ゲーム開始時に抜かれた二枚のランダム要素を踏まえて、取捨選択を繰り返すと。
ああ、R.Kniziaだな、と素直に悶え楽しむことができる隠れた(?)良作。巷ではバトルラインやショッテントッテを取り沙汰することが圧倒的に多いようですが、あれらとはたしかに印象は似ているものの、単に起源を同じくして生まれた全くの別物のゲームだと考えたいところ。ゲームを進める際に起こる、想定、推測の質が違いますし、なによりこちらの方がシンプルなので、より純化された悩みどころがあります。領土ごとの色や数字による「縛り」、数字系領土の点数配分などの何とも言えない悩ましさ。ジレンマの部分を素直に取り出してみましたー、って感じ。本当にオモシロなので、「類似品だろう」と食わず嫌いされてる人がいれば、是非一度遊んで欲しかったりするゲーム。「おせちもいいけど、カレーもね」とはまさにこのことですなあ。