赤と青で選挙しますってば。

”「朝まで大統領選挙」”

前作「朝まで総選挙」のシステムを踏襲しながらも新要素を盛り込んで新たなオモシロを生み出した本作。
多数派ゲーの歴史にまたオモシロな1ページ。




朝まで大統領選挙


今回は完全に4人ゲー。指定されちゃってますからね。あげくチーム戦。
「えええええ」とか思いましたが、遊んでみたら「これだ!」に変化。
チーム戦に特化したことでオモシロレベルが高まってます。



なにするかってえと、表題の通り、大統領選挙。
2vs2で赤青に分かれて争う構図。
でも最初は誰がパートナーかわかりません。秘密。あくまで秘密。
打合せもなく手探りの中で選挙が始まってしまうんですよ。あわわ。


前半戦後半戦にわかれているのは前作の通りですが、
今回はさらに酷いありさまです。どこまで苦しめれば気が済むのかと。


二勢力ですから、もちろん置く駒は2色。
それを誰もが同じ数ずつ持ってます。
「は?」って感じですよね。
陣営関係なく、誰もが赤も青も持ってる。
もちろん、最初は「どちらの陣営かは秘密」なので、ま、そうでないとマズイのはマズイ。
ともあれ両方の色を持ってしまったからには使わないといけない。
ちうことで自分陣営に都合のいいように置く。
かといって、あまりにあからさまにするのも大変なことになりそうな。
つかね、他陣営の駒なんて置きたくないんですよ。
仕方ないから「無駄に勝ちすぎるように」置いてみたり。
もうね、とにかく駒配置が一筋縄でいきません。歯がゆいというか、苛立たしいというか。
ま、それがオモシロなんですがね。そりゃね。



そんな前半が終わったなら、いざ後半戦。
の前に、どちらの陣営に属するのか、お披露目。
「うわー、そうだったの」とか「なんだそうなのかよー」とかいう時間。



後半戦は一斉配置もの。
でも3種のアクションを選択できるようになりました。戦略の幅広がりました。
オモシロいです。勢力の均衡を破る事ができます。負けっぱなしがなくなりました。
が。
前作に比べると、このあたりの処理がちょっとモッサリした流れを生みますね。ゲームの体感速度もガクーンと落ちます。
前半戦に比べて手札がドっと増えてくるのも一因ではないかと。
悩ましくなった分、軽快さが犠牲になった感。まあ、補って余るオモシロはありますが。
とか、そんなこんなありつつ、後半戦も終わったらお楽しみの決算&運試しタイムへ。



みたいな感じ。



総じて差がつきにくい展開で、最後までどちらの陣営が勝つのかわからない体。競り合いにつぐ競り合い。
前半の駒の件もそう、陣営の秘匿もそう。後半での新たなアクションも含めて、最終のくじびきまで均衡しまくり。
これを「?」と感じるか「!」と感じるかで評価が分かれるゲームですね。
ただまあ、ゲームが好きな方は往々にして接戦を楽しめる方が多いと思うので、全般的に評価は高いと思います。
端的な言い方をすると「攻防の雰囲気を楽しむ」系統のゲームです。
もちろんテキトーにやれば惨敗する程度には厳しいつくりにはなってますが。
僅差で勝敗が決まるからこその、嬉しい、悔しい。
リプレイに繋がるその感情を喚起するオモシロぶりには脱帽。
ゲーマー心をくすぐる良く出来たゲームですよ。イカス。




あ、そういや。
後半戦で「手番ごとに全員の手札をローテーションさせる」ルールがあるってのを作者のさとーさんに聞きました。
正規ルールなのかどうかは謎ですが、これを適用するとオモシロなのだそうです。
一番気になるモッサリ部分へのアプローチだけに気にはなりますが、私がそれを適用するかは微妙。「また一から手札見て考える」ってのが私の好みに合わないような気がします。


ってな感じで。