めくれば活路が開けるカドゲ。
”「ヌアムート(Nur mut)」”
勢いとチャレンジ精神が重要なラベンスバーガーの昔カドゲ。
見た目のショボさとはウラハラにかなりのオモシロ。思わず立て続けに何度も遊んでしまいました。これはイケてます。
ちなみにタイトルの「Nur mut!」ってのは「勇気を出して!」とかいうニュアンスの言葉らしいですよ。
箱、こんな感じ。
どうです、このなんとも言えない箱。
なんらオモシロげなオーラを放っていませんからね。おかげで軽くその存在を忘れ去っていたわけですが。いや、取り出してみるもんですなあ。何でもかんでも。
目的もやることも激烈シンプル。
手元のカードをいち早く出し切ることが目的。
自分の手元を中心にクローズアップ。
場にはこんな風に「捨て場」が3ヶ所。手元にあるのは自分山札、初期10枚。常に一番上のカードの数字だけを見ます。
んで、手元のカードの数字より「一つ大きい」か「一つ小さい」数字がいずれかの捨て場にあれば、自分のカード1枚を捨てることが出来ると。で、手番終わり。
もちろん数字が適合しなければカードは出せません。でもそういうときはパスだって可能。別に罰則もありませんし。次の自分の手番までに他のプレイヤーが手元のカードを捨てれば、捨て場の数字が改善されるかもしれないかも。
が。
他人も同じ状況なら全員パスで一周してきちゃったりもする。
手番の連続パスは不可なので、そういう時は絶対に出さないといけない。
「出せないのに出せ」とは困った話。
手元のカードをじっと見てみる。
いくらゲーマーでも数字は変えられません。
じゃあどうするかってえと、
「ヌゥアムゥートォッ!」
って言いながらカードを裏返す。すると出てくる新たな数字。
やれば出来る。舞い降りたミラクル。
つか、実はカードに仕掛けありで、表裏で異なる数字が描かれてまして。規則性はあるんでしょうが、枚数が多いのでよくわかりません。ほぼランダム。これが運良くウマイこと出せる数字であればオケー。もしやっぱり出せない数字なら、3ヶ所の捨て場から「一番カードが溜まってる山」を引き取って自分山札の下へ。ゲンナリ。
一手番前の人が失敗したらウハウハ。空いてる捨て場に何の苦労もなく自分のカード1枚を捨てる事ができます。他人の不幸は蜜の味であることを実感できる瞬間です。ムハハハ。
あと、ヌアムートっていうチャレンジは別にパス後じゃなくても可能だったり。成功しつづける限り連続手番もできてしまう、ギャンブルまみれの選択肢。
そのほか、ワイルドに使えるジョーカーのカードとかも。しかもこれは「ワイルド」だけじゃなくて、ジャックポット的な大盤振る舞い要素も持ち合わせているというステキぶり。
いやあ、小技が効いとりますなあ。
と、こういうゲーム。
だいぶと運が強いゲーム内容とはいえ、やたらとテンポがいいし、めくりに勢いがあるしでかなりイケてます。
出せるカードがあっても「敢えてパスする」ことが可能なので、ゲーマー好みな絞めの要素もありますからね。もう、このパスまわしが熱い。出せるのにパスされた日には「えー、パスするのー!?」って感じ。なんて仕打ち、なんて世知辛いゲームなのかと。
そして仕方なくチャレンジさせられる局面がまたたまらなくオモシロで。まんまとカードを出せても「おー!!」だし、出せなくても「よし!」という声がと飛び交います。
そんなこんなするうちに捨て場のカードが溜まっていったりするともう緊張が高まる高まる。嗚呼、取りたくない取りたくないと思いながらのパスやらチャレンジやら。捨て場のカードをごっそり拾った時のダメージったらないわけですよ。グハァってなること必至。
とにかく軽くてバカっぽいノリの勢い系カドゲ。
「ヌゥアムゥートォッ!」
って言う楽しさがオモシロの5割くらいを占めている気がしないでもないですが、いやもうとにかくオモシロならどうだっていいです。簡単ルールで即楽しいので、特に民間戦で効果を発揮する類だと思われます。
最初はアレだなあと思えた微妙な脱力系イラストも、今ではステキイラストに見えるあたり、その気に入りぶりったらないわけですよ。
折角なのでそんなカードイラストをば。
今はアレな感じに見えるかもですが、遊ぶと変わります。
本作はその典型。
機会があれば是非に。