遂に登場してしまった「戦略級」ダイスゲー!

”「王への請願(Um Krone und Kragen)」”

メ便で来たヤツです。amigo発のダイスゲー。
国王以下の様々な職業の人々を味方につけながら自分の地位を高めていくってな内容。


箱、こんな風。


箱ー(やる気なし)



王です。国王。
サイズは新たな謎サイズ。
中箱ってほど大きくもなく、がしかし、厚みがあるので小箱ってほど小さくもなく。
とても収納に困ります。
よ、余計なことを・・・・・。



で、内容物はこんな風。


内容物(やる気なし)


カード何枚かとダイス。それにスターターマーカー。
カードの質感はそう悪くありません。もう触れることもないでしょうが・・・・。
カード下部はアイコン。とても小さくて見難いです。
左が獲得条件で、右が特殊能力の内容。


ということで、画像終了ー。
この先は画像ないです残念ながら。



さて。



具体的にいうと、ダイス目に働きかけることが出来る各特殊カードを駆使しながらダイスを一人で振りまくるゲーム。
最初はダイス三つしかないんですが、味方が増えるにつれてダイスが増えたり、振りなおしが出来たり、ダイス目の結果を曲げることができたりして云々。
新たな味方を増やすのももちろんダイス目次第。振った目を使って一手番ごとに贈賄して増やす感じ。んで、強い効果を持つ人ほど獲得に必要となるダイス目が厳しくなる仕組み。
最初のうちは「ゾロ目2つ」とか「全部奇数」とか程度なのに、後になると「ゾロ目5つ」とか「ダイス6つでストレート目」とか「ゾロ目3つを二組」とか結構ハード。
だもんで、弱い効果の仲間を増やしながら徐々にレベルアップ。より上位を狙って頑張っていく流れ。
ダイスゲーの伝統よろしく、「ダイス目を最低一個確保しながら何度も振りなおしていく」システムに、任意で使用できる特殊能力。これがまた結構ハチャメチャでしてね。最終決戦(そういうのがある)ともなると、あれやこれやしながらダイスを増やしたり出目を操作したりしつつ、6のゾロ目9つとか作っていくようなバトルになります。派手といえば派手・・・・かな?。



でもグっとくるオモシロがあるかっていうと疑問。
ちうことで、アレだなあと思うところを紹介。



まずは特殊カードの多さ。その数なんと20種類強。特殊能力が乱れ飛びます。まあ所詮相手はダイス目なので、能力にはいくつかのパターンがあってその強弱で差を付けてる感じなんですけどね。系統立っているおかげで1ゲーム遊べば慣れる程度ではあるんですが、問題は「特殊カードの獲得条件」の存在。これのおかげで特殊カードが実数の倍以上あるような感覚。
前述した通り、獲得条件もかなりの様々ぶり。つかね、「特殊能力」そのものは自分の手元にあるものだけを管理すればいいのでまだマシなんですよ。しかし「獲得条件」は、手元じゃなくてテーブル全体。可能性が多岐に渡るので、ゲーム進行中のちょっとした確認だけでも結構な手間だったりして。テンポが悪いったらない。かといって、「ゲームの醍醐味を担う選択肢」なので、確認するな!とも言えません。

仮に全ての獲得方法を覚えたとしても、ダイス目の出方によって悩み悩みダイスを振ることにはかわりませんからね。必然で手番が長くなります。ダイスゲーなのに。
このあたりの話を踏まえて「手番での思考例」。夢に見そうな凶悪ぶり。


「ダイス振る→この出目だとアレとアレとアレを狙える→手元にこの特殊カードがあった→コレとコレも狙えた→アレx3とコレx2の特殊効果はこうだ→どれにしよう→コレを取ると次にアレを狙いやすくなる→じゃあコレを目指すか→ダイス振る→この出目ではコレは絶望的→じゃあどれに狙いを変更しようか→アレのストックは残り一枚→折角だ、ヤツに取られる前に取るか・・・・・・・」


ここまで来ると、もはやダイスゲーというより「ダイスでの判定がある戦略ゲー」。安易に「ダイスゲー」という言葉の印象に信じてしまうと、騙されて痛い目を見るパターンですよこれは。


もうちょっとだけグダグダ言います。


プレイ感の話とかも。
手番にダイス目で役を作るゲームなのでソロなのは当たり前なんですが、他プレイヤーを巻き込んで盛り上がっていくような一体感に欠けます。周囲をサラーっと置いてけぼりにして一人で猛然とダッシュしていくような感覚。本当に「ソロ」なんですよ。
なぜかってえと、よくある他のダイスゲーと違って、手番外の人は見てても「よく分からない」。
だから一緒に楽しめないんですよね。
ダイスをムジャーっと投げる手番の人。出てくる目を見守っていても、あまり意味がありません。手番の人が持つ特殊能力のためです。結果がドンドン曲げられていきますからね。
だからダイスゲー特有の「失敗しろ!」みたいな祈りすら生まれない。「あー、残念な出目だねえ」といやらしい気持ちを持つことも許されない。「何が出るか!」っていう全員で食い入るように一投を見つめる勢いもない。
大体、どのカードを狙ってるかさえ明確じゃないのもアレ。獲得条件が多すぎるんです、きっと。ある程度ダイスを確定させて狙いが絞られてくるまでは、見てる側は本当にボンヤリしてるだけ。多様な選択肢がゲームをボヤけさせる結果に。
つか、どんなに出目がショボくても「まあ何かしらは取れる」くらいのバランス取りが輪をかけてアレ。おかげでそこまで酷く失敗するということがない。ゲーム結果に大差がつき難いようにした優しさが仇になった感満載。
じゃあ手番外の人も「祈れるように」ってんで、狙いを逐一説明した上でダイスを振るわけにもいかない。様々な分岐を全部説明できるわけがないし、そんな雄弁な人が居たら「うん、よくわかった、とにかくダイス振ってみ?」と言ってしまうに違いないです。



んー。



一人で、ダイスを振ったり、特殊能力でダイス目を変えたり、どのカードを狙うか考えたりすることは、まあ楽しいです。しかし派手さはあまり無く、どちらかといえば地味で地道なチマチマ系。あげく自手番が終わってしまえば次のお楽しみはだいぶと先の話に。オモチャを取り上げられたかのような寂しさ。全員でワーワー遊べるような流れなどなく。ソロプレイ。とにかく干渉無用のソロプレイ。
何を求めて遊ぶかでも印象は異なってくるとは思います。遊べないこともないです。でも本作の特徴である部分を「長所と感じる」よりも「短所と感じる」ことの方が圧倒的に多かった。私とは相性が悪いんでしょうね。ええ。そういうことにしておきますとも。
「今までのダイスゲーはノリと勢いと運だけで物足りない、なにもオモシロくなかった」
という方にはジャストフィットするかもしないかも。



ということで地雷(中)。
まあ、話のネタにはなりましたかねえ。
ネクストはないですが。