あの栄光をもう一度。

”「ハリウッド!カードゲーム(Hollywood! card game)」”

私とは微妙に相性がアレなファンタジーフライトゲームス発のカドゲ。がしかし、本作はなんとフェドゥッティとシャハトの共作。どちらも好きなデザイナー&ドラゴンストーン以来の共作、なので即ゲットですよ。にしても、やっぱりフェドゥッティはコンビ作なのねって感じ。報われない人ですな。
ちなみに国内では二系統の入手先があるようです。1000円強の流れと、2000円代後半と。
まあ、ね。不思議ワンダーランド日本。(謎)


箱!


箱外観


画像は大きいですが、箱は小さいです。ってか、薄い。
中身はといえばカードが60枚ちょっとと、小さなリールカウンターと呼ばれるチップが16個。取り出すのは簡単ですが収納は難しいですね、この系統は。アバクスを思い出します。
チップを抜いた外枠は収納の際に重要なので捨てないように注意。



目的は限られた予算で高評価の映画をたくさん作ること。映画の価値はその長さ(大作かどうか)と、どの程度のスターが絡んでいるかで決まります。評価基準がなんともハリウッドらしい。


並んだカードたちよ・・・・。


こんな感じにカードを並べて各自で必要なブツを取り合う流れ。
1ラウンドに場に並ぶカードは画像のとおり4列4+4+3+3で、14枚。これを人数ラウンド繰り返して云々。
ゲーム中に獲得できるカード枚数は人数問わず12枚。人数によって、3ラウンドで取るか、4ラウンドで取るかが異なります。どちらも遊んでみましたが、ラウンド中の立ち回り方っていうか味わいが若干変わりますかね。でも12枚という限られた予算の中で如何に無駄なく映画を撮るか、という主旨自体は変わりません。そういう意味ではドラフトゲーと言えますな。


カードの種類としては映画のネタカードが3ジャンル。同じジャンルで枚数たくさん集めて高得点。それと、インスタントにちょっとした得点になるカード。あと、キーになるスターカード。俳優やら監督やら。星マーク付いてるヤツがそう。一ツ星から三ツ星まで。


で、そうしたゲーム中登場するヤツとは別に、特殊カード二枚。


特殊?!


内容はというと、「連続手番」と「手番パス」の二つ。地味な感じですが、かなり強いです。もちろん折角ですから「スペシャルパワー発動!」とか言いながら使うことをお勧めします。その方がオモシロいですからね。
ちなみに特殊カードは「ゲーム中」使いきり。「うわ、少ない」って感じですが、シンプルな進行のサックリゲーなのでそれくらいで十分。
あと、下にあるのはリールカウンター。これをカードに置くことで、それが欲しいんだよ!っていう主張。3個しかないのは撮影が4人プレイ時だったため。



では、別画像でも出して、ラウンド内の流れでも追っていきましょうか。


プレイ風景


手番には自分のチップを一個置くだけ。終わり。
全員が全員、チップを置ききったら、カードを回収していって必要に応じて映画を完成させたりさせなかったり。
そのカウンターの置き方と回収の仕方ってのがゲームのキモ。
チップは画像下部、手前4枚のいずれかの上にしか置けません。既にチップがある場合は、奥に向かって押し出します。奥にチップがあったら更に押し出していくと。いっぱいになった列にはもう置けず。
で、全員置き切り後はカードの回収。
左上から下に向かってカードを取って、最左列を取りきったら次の列の上へ、で、その次、その次、といった感じ。


この取る順序というのが重要で。
融通が利きにくい奥から取らされるというのが地味にイケてるところ。
スターが手元にやってくると、その瞬間で手元にある映画のネタを使って映画を完成、封切らないといけない。もっと集めたかろうがなんだろうが、スターが来たら待たせるわけにはいかんのですよ。スター最悪ですな。
じゃあ終盤でしかスター取らないよ、ってのも無理。映画の価値はカード枚数xスターの星の数で決まっちゃう。なのにゲーム中に、しかも各ラウンドで登場するスターの枚数は決まっているので、序盤・中盤から確実に取っていかないと点数が伸びない仕掛け。終盤まで粘ることも可能ですが、そんなことすると他プレイヤーに必殺の勢いで止められて泣きをみることに。
でも一ツ星のスターだけは若干罠。
映画は未完成でもゲーム終了時の集まり具合によっては点数になるんですよね、x1ですが。
で、話戻って一ツ星のスターの倍率はもちろんx1。でも曲りなりにもスターなので、来たら即映画完成のルールは生きてる。集めてるカードが激ショボなスターによって無理やり完成させられる時の悔しさったらもう。他人にまんまと押し付けた時の嬉しさったらもう。




ゲームとしては、「あれが取りたい、でも取れない」「うわ、取らされた、そんなの要らない」とかいう感覚。適度なジレンマで、人数ラウンド必須とはいえ20分程度でサクーっと終わるのがスバラシイ。
14枚という限定的な配置の中で、人数ラウンドを行っていくというのが上手いなあって感じ。徐々に公開される情報と未だ非公開な情報と。いつアレが出てくるのか、どう出てくるのか。ラウンド開始ごとに一度気持ちがリセットされるのもイイ。その際、必ずといっていいほど希望絶望が入り混じった声があがることも。
下から押し込むという構造と回収順のアヤも、列の奥行きが深くないので気軽くイケるところがありがたいですね。4433の列配分も、本当にちょっとしたことですがその配慮が嬉しいというか。ほどほどに「アレとコレとソレを、あーしてこーして」と考える楽しさ。
また、ラウンド開始時にスターカードとその他カードを規定数混合する作業を行うので、適度なバラツキもあってオモシロ。作業自体は面倒ですが、ゲーム開始前に一括して実施しておけばゲームテンポも崩れませんし。
ワンポイントで使っていく特殊カードのバランス感もイイです。数ラウンドあるのにゲーム中1回と聞くとアレですが、総数12回を配置するチップに対して「手番パスと連続手番」って風に捉えれば非常に適切。地味な特殊能力なので普段はその存在すら忘れがちなのですが、上手く使うと本当にイヤラシイ効果を発揮できます。
私が勝手に要素からリンクしたゲームイメージとしては、コロレットmeets妖精奇譚って感じ。もちろんプレイ感もオモシロの質も大きく異なるんですがね。1000円ちょっとのカドゲとしてはわりかしよく出来てます。合間に遊んだりするゲームとして結構イイ線いってるんじゃないでしょうか。お値ごろ感もあって、私はだいぶと気に入ってますよ。


で、思いきり話は飛びますが。
最後に。


本作で集める映画のネタカードには3つのジャンルがあるんですけどね。
このカードのイラスト、一枚の細長いイラストを分割した感じになってて、ジャンルごとに全て連結できるんですよ。
ということで。
折角なので地味に並べてみました。
きっとこういうことを求められていると思うんですよ。ええ。
で、大きめ画像3枚。それぞれ上段右端が下段左端に連結してます。
よく見ると結構ハチャメチャ、ベタベタなシチュエーションでオモシロです。


ラクション


ロマンティックコメディ


ホラー(原文まま)