終わりなきバトル、悲しみの果てに。

”「ティンブクトゥ(Timbukutu)」”

ラクダで積荷を運ぶキャラバンゲー。
運ぶっていうか避けるって感じですが。脳みそ熱くなる系。
アルハンブラで大賞とったディルクヘンさんの93年作のリメイクっていうことなんで、ま、ま、心の準備はOK。


多人数で遊ぶと、とてつもなく長細いボードが特徴。リンク先画像ですら、若干折りたたんでスペース稼いでますからね。参加人数によって分割式のボードを足したり引いたりする感じ。要するに人数分ラウンドを行いますよ、っていうのがカタチになったと思ってください。


ラクダには様々な交易品を積んでます。各自何頭かラクダを引き連れて旅。


マイボード


これ、マイボードです。各自こういうボード持ってます。
自分のキャラバンのラクダはアルファベット管理。それぞれが異なる荷物積んでまして。薄く見えるのが基本配置。上級ルールになると自由配置も可能。
人数によって使うラクダ数は調節。全員で最大5x5=25頭を使用。何人でやっても大体そのくらいです。
下に書かれている数字と交易品マークについては後述。



通常の「旅するルート的ボード」を拡大するとこんな感じ。



ボード拡大


ボード手前から奥に向かうんですが。ボード1枚の移動が1ラウンド。25頭いたとして、全部動かしきったらラウンド終了すると。ゲーム上ではオアシス間を移動するという設定。
各オアシスには列が5つ。それぞれマークによって識別。1列には5頭のラクダが並ぶようになってます。到着した順に奥の1番から順に詰めていく感じ。
次のオアシスに向かって矢印があるのは、「出発する列による移動先の制限」ってヤツ。


ラクダの移動は同時プロット、スタートプレイヤーから解決といった具合。
自分内キャラバンに割り振られたアルファベットに対応するラクダを、今回の手番は「僕はB」「俺はA」「私はC」を動かします、とか秘密プロットして一斉公開。それを実際にスタートプレイヤーから動かしていくって流れ。
先に動くか後に動くかで意味が変わってくるので、その兼ね合いが・・・・みたいな。
オアシス間の移動(最後だけ街への移動)を人数ラウンド繰り返して、「残っている」積荷を売ってゲーム終わり。



「残っている」っていうのがキモの部分。
ラウンド終了した際にある処理を行うんですが。
なんと困ったことに、オアシスでは100%泥棒に襲わせてしまうんですよねえ。
襲われないところなどない、オアシス=泥棒の巣、くらいの勢い。じゃあ行くなって感じですが、そこは砂漠を行くキャラバン。オアシスなしには街に辿り着けないわけですよ。
しかし賢明なる我らがキャラバン隊は各自で泥棒に内通者を送っており、泥棒の襲撃先をわずかながら事前に知っています。
その情報ってのはこんな感じ。



泥棒予報


上はカード背。下が表。情報3種セットで一つの襲撃予定を表してます。
写真であれば、
「星の列の、2番目と4番目に休んでいるラクダの、水とコーヒーを盗む」
といった具合。
律儀なことに、この予告(?)通りにしか泥棒は盗みを働かないので、その裏を掻ければ被害はないです。
ちなみに泥棒は全ての列に出没するので、「この列はかならず安全」ってのはない感じ。
こういった情報を各自が持ってて、云々。移動中のイベントで、情報が隣へと巡回したりとか。新たにわかって、そこを避けるように動いたりとか。
沢山盗まれた品物ほど、街まで届ければ高得点になるので、そのあたりの取捨選択も戦略のうちというか。他人の行動を読んで、ハメるように動いてみたりとか。



とまあ、大体そんな感じのゲームなんですけどね。
ルールに「メモ推奨」の文字が躍っているように、情報収集バリバリ推理系です。
マイボード下部にあった数字と交易品は、もうお気づきでしょうが「泥棒カードの構成」ですからね。とにかく可能性を踏まえて全部考えろってことですよ。
ラクダの移動は完全にフリーではないので、他人の動きは重要な情報源。それぞれが異なる襲撃先を知っているからこその不自然な動き。それを読み取ることが勝利のカギ。
泥棒の襲撃先カードは先ほどの3種が各5枚なので、消去法で絞っていったりすることもできます。まあ不確定な情報が若干混じるのでガチガチにはなりませんが、わりかしシビアなノリ。
この脳みそ熱くなる系が好きかどうか、ってのが本作評価の分かれ目でしょうねえ。



その他ネックといえば、コンポーネントとプレイ時間が挙げられるかと。
多種大量な交易品がとても細々としたタイルで扱うためプレイ中もちょっとしたことでバラっとなる危険。また、紛失問題にも気を遣う感じ。余りがないので、1個なくなるとすぐに代替品が登場するという。私も既に1個なくしました。
あと、人数ラウンドの件。推理系なので5人5ラウンドやると時間がかかります。単純に考えて3人3ラウンドの約1.7倍。ラウンドごとの内容には大きく変化はないので中だるみが容易に予想されます。もう本当にスタートプレイヤーの有利不利を均等にするただけのルールというか。
今回は時間がなかったこともあり、5人で3ラウンド戦でした。たしかにスタートプレイヤーは回りきりませんが、これでもまあ問題ないような気も。
再戦したいようなしたくないような。でも少なくとも、やるなら3人がいいかなあって感じ。
グダグダと書いてるわりに、妙に不明瞭だったりテキトーだったりするのは、そんな気持ちの表れなのかも。
現段階では正直微妙。地雷(警戒)。あとで評価変えるかもしれませんが。